海外漫画「Percy Gloom 」Cathy Malkasianの全訳です。一部訳せなかった部分あり。

【概要】
『Percy Gloom』 Cathy Malkasian (07 fantagraphics books 19ドル)
パーシーちゃん萌え〜
LA在住のアニメーター、キャシー・マルカジアンの漫画。主人公は永遠に生きる母と、若いうちに必ず自殺する家系グルーム一族の父から生まれたパーシー・グルーム(表紙参照。マフィン大好き、二頭身、斜視、頭を回すと電灯のように顔が光る)。ストーリーは、長年憧れていた(隣町の)警告文(おもちゃの箱に書いてあるようなもの)作成会社から就職面接の手紙がパーシーに届いたところから始まる。隣町に着いたのはいいが面接を受けるまで一騒動、面接ではケチョンケチョンに貶され意気消沈してホテルに戻る一日目、しかしなぜか採用通知が届き、その会社で働く(しかしガムを喉に詰まらせ病院へ直行する)二日目、そして最後にその会社の有る町が崩壊してしまう三日目を三章に分けて描いた大人の童話(?)或いはファンシー・ファンタジー?
新興宗教の漏斗頭団(メンバーは漏斗の帽子をかぶる)に入信し死んでいったパーシーの妻リラ、超デブおかっぱ頭にリボンの女性面接官、いも皮剥き器で手を怪我し片腕がフックになってる仕事の同僚レオ(百科事典の危険性を調査中)、死にかけの人をおかゆにして食べることで死を避けようとするヤガパンザ運動指導者タミー、などなど登場人物が全員キャラ立ちしててグー。薄茶色の色鉛筆で描いたような画風も味わい深くノスタルジックで良い。
著者のサイトは無いがパーシー・グルームのサイト
それでは全訳をどうぞ!画像はファンタグラフィクスのサイトから
p1下図参照
第一章 誕生 (一日目)

p2下図参照
私と結婚して、パーシー・グルーム!私の私だけの可愛くて大人しいちっちゃな赤ちゃんが欲しいの。どうかお願い、お願いだから今すぐ、私と結婚してよパーシー・グルーム、今すぐに!(裏へ続く)
結婚して、私と!!結婚結婚結婚結婚結婚…

p3下図参照
安全ナウ 警告文研究所
親愛なるグルーム様
20年に渡り、貴兄から熱意ある問い合わせの手紙を受け、また御母堂からの多大な推薦もあり、我々は真摯に就職を希望されている貴兄との面接を決定いたしました。日時と弊社へのおおまかな道順を同封してあります。決して遅れぬように、我々はあらゆる怠慢を嫌悪しております。敬具 安全ナウ
パーシー・グルーム(p):シクシク
パーシーの母(pm):パーシー?
pm:パー…シー?
p:はい!

p4下図参照
pm:そこにいるのかい坊や?
p:うん、ママ!
pm:初日の遠出はどうだったの、教えてちょうだい!
p:わかった、そう…
p:ドライブは気持良かったんだ。車酔いは道中二回だけ、丘が続いてて道路はくねくね…
p:ママの新しいペダルカーはパーフェクトに動くし。
p:パッと折り畳めるから階段も難なく持って上がれた。
p:今までで最高の発明品だよ。

p5下図参照
pm:それで面接はどうだったの?書類は提出したのかい?
pm:パーシー?
p:…グー
p:ママ。面接に行く前にまず何か食べ物が必要だったんだ。
p:すいませんがこの町で食べ物はどこで売ってますか?
老人(老):この上です!上に行ってあがってまたあがって上に上に上に上に…
p:有難うございます。
(老):どういたしまして。

p6下図参照
子供(ch):そこだ!
p:?
chこれだよ!
chおじさん、この石を動かすの手伝ってくれる?
ch魔法石なんだ。
chこれを動かせればこの町は崩れ落ちるんだ!
chそうすれば僕達はもう学校に行かなくていいの!
chもう二度とね!ハハハハ。

p7
chハハハハヒーヒーハハハハヒーヒー
chハ…
chお?
chおじさん?おじさん!
ch大丈夫?
p:僕の名前はパーシー・グルーム。仕事の面接があって…遅れるわけにいかないんだ!…でもその前にそば粉マフィン三つとレモン30個で作るジュースを飲まなきゃ。
p:面接に備えて力を蓄えなくちゃ!
p8
chあそこがマフィンとジュースのお店だよ、グルームさん!
p:親切に有難う。
タミー(t):前はあったでしょ!
店員(店):いいや。
t:憶えてんだから、嘘つかないでよ!
p9
店:タミー、違うよ。栗のパンケーキを置いてたことは無いよ。
t:あんた嘘ついてる!
店:タミー頼むよ、今まで何度も言ってきたでしょう…。
t:あたいは嘘つかれんのが嫌いなの!
p:グー
t:このこと忘れないからね!
t:この店潰してやる、あんた聞いてんの?
p:うわ〜ひどい。かわいそうな女性だ!足が重い感染症に罹ってる!
t:あんた誰?
p10
t:何見てんのよ?
p:あなたの足の大きな親指を…
p:感染してるようですね。
t:そうよ、分かってんの。精神力で治してるんだから。
p:…でも薬がありますよ…お嬢さん。
t:薬は毒なの、おじさん。
p:でも…薬がありますよ…
t:言ったわよね…
t:薬
t:は
t:毒だって。
p11
t:心には凄いパワーがあるの。
p:ああ。
ズキズキズキ
p:でも薬がありますよ…
ビシューッ
p12
t:よう、チビのガイジン野郎、古代ヤガパンザの知恵を知ってっか?もちろんあんたは知らないでしょうけど、あたいは知ってんの。あんたは黙ってなさいよ。
t:あんたのションベンアドバイスなんかいらないわよ!
p:うわ…
p:うわー
p:うわ〜…
p13
p:うわぁ…
p:う…
p:…わぁ…
p:うぅ…
p:…ああ助かった!
チャプチャプチャプ
ヤギ使い(使):もしもし
使:すいませんが
p14
使:その水飲み場はヤギ専用なんです。
p:あぁどうか…どうかお願いします!私の口に感染症の足がガッツリ入っちゃったもので!
使:どうか、すいませんが。
使:譲っていただけますか。
p:道に迷ったし、お腹も空いたな…
p:面接も逃しちゃった。運の神様さようなら。
p15
p:あーあ…あっ!
p:安全ナウ研究所だ!長年の夢が目の前にある!
親愛なるグルーム様
安全ナウ雇用委員会は貴兄との面接に際して以下の規則に従うよう強くお願いいたします。
1.ネクタイはしっかりとズボンの中に入れて下さい。シュレッダーの誤作動に巻き込まれて死ぬ危険性が無いとは限りませんから。
2.コロンやアロマオイルはつけないで下さい(くしゃみの危険があります)。
3.よろしければ貴兄が書かれた警告文書を5例お持ち下さい。
4.グルーム様、何はともあれテキパキと。この事を十分強調しておきます。
p:ああ、素晴らしき我が運命!
p16
安全ナウ警告文書研究所
p:ああ、やったやった!信じられない!ついにここまで来たんだ。
p:生まれてからずっと安全ナウを愛してきたんだ。
p:さぁ今度は僕を愛して。
p:さぁ着いたぞ!
p17
雇用局
p:うれしいな!
p:素晴らしい運命。
雇用局
マーガレット(mar):ノックしないで下さい、グルームさん。
mar:拳を痛めますよ。
p18
mar:急いで。
mar:もっと急いで。
mar:さぁ座って。
mar:あなたのファイルを読みました。
mar:?
mar:それは何かの予防ですか?
p:あぁいえいえ違います。何しろちょっと前に
p:…感染症の大きな足が…
p:…僕の口に無理やり突っ込まれて…
p19
mar:グルームさん、そんな危険な出来事を予想出来なかったのですか?
p:えぇ、あの、僕…、僕は…
p:僕…僕は…
パーシーちゃん、大人になったら何になりたいんだい?
p:警告文書家になりたいでちゅ!
ma:r:時間を無駄にしないで下さい、グルームさん。想定外の怪我や死を引き起こしかねない日常品を15個上げて下さい。
mar:メモ、汗をかいていると。
p:えーっと、えーっと、えーっと…
p20
p:…つ…つ…爪切り…
mar:…じゃ次…
mar:警告文のジャンルトップ5を下から順に言って下さい。
p:うぅ、あぁ、えっと第三位「これはおもちゃではありません」うー、第、う〜…
p:だ、第、だだ、第うぅぅ…う…
mar:グルームさん、千人もの人がこの仕事に応募してきているの、お分かり?他の人には無い、あなただけがお持ちのものは何ですか?
p:僕の…僕のお母さん!
p21
p:あのー僕のお母さんは発明家なんです…
p:僕は何年も母の研究室で…
p:アシスタントしてました。
p:母は時々ぼにゃりしてることがあって…
p:…でも僕は全ての災難を予見できたんです。
mar:グルームさん、
mar:誰かがどこかであなたの昔話に興味を示すかもしれませんが…
mar:しかしここ安全ナウにはもっとやるべき重要な事があります。毎日毎回我々は人命を…数え切れないほどの人命を救っているのです!我々の警告文があっても、あらゆる物に危険は潜んでいるのです、グルームさん。有害なインク入れから命を落としかねないプレッツェルまでね。我々は商品をテストし、一見無害に見える物の中に隠されている致死性を探り出そうとしているのです。自ら傷を負いながら警告文を書いているのです。一時間前になりますが、この一見無害な小さいハガキで両膝の裏を切り、痛みに耐えた立派な女性を昇進させました。
p22
mar:あなたは紙で自傷で出来ますか、グルームさん。
mar:子供が消火器を飲み込んだら、安全を守る製品なのに死の危険性があるとしたら、あなたならどうしますか?千人もの人がこの仕事に就きたがっているのです。熱意を持って自らの意思で犠牲になりたいという千人もの応募者が、あなたの後ろに控えているのです。他の人から奪ってでもこの仕事に就きたいのは何故ですか?何故ですか!
p:僕は…僕は…
p:ぼくはただ他の人に…怪我をしてほしくないだけなんです。
p23
mar:出て行って、グルームさん。
mar:しくしく
mar:出て出て出て出てグルームさん
mar:行ってグルームさん
mar:行って行って行って行っ〜〜て〜〜
mar:出て!行って!出てけ〜
mar:行って!行って!出てけ〜
mar:出て、グルームさん、出てけ〜
雇用局
何になりたいんだいパーシーちゃん?
p:たぶん何にも。
p24
パーシー終わり、パーシーの人生終わり、パーシーの夢終わり
p:ひどい幻覚だ、本物じゃない、お腹が減ってるせいだな。
p:グゥ〜
p:グゥ〜グゥ〜グゥ〜グゥ〜
バーナード(b):もしもし、ナップサックから紙が落ちましたよ。
b:そちらに戻しましょうか?
p:あぁ有難う。
b:雇用局の階段の危険性をテストする人なんか初めて見ましたよ。どちらの部署で働いてるのですか?
p:僕はここでは働いてないんです。
b:おや、残念ですね。あなたの警告文をチラッと拝見しましたが、非常によく書けてますよ。
b:マーガレットと面接したんですか?
p:はいそうです。彼女は僕に出て行けと。
b:彼女を泣かせちゃいましたね。彼女は時々ああなるんです。
p:泣かせようなんて思ってなかんだけど。
p:グゥ〜
p26
b:あなたはお腹がグゥグゥ鳴ってますね。食事に招待させて下さい。
p:有難う。
b:僕の名前はバーナード。
p:僕はパーシー・グルーム。
p:グゥ〜
b:パーシー、ホットドッグは好きかい?
p:うん、
p:犬って知的な生き物だよね、舌をパタパタ出して体熱を下げてるんだから。
b:?
p:僕や君と違って口に足を突っ込まれても平気だし感染することもないし。
ホットドッグ、ホットッグの丘
b:ここを登るよ、あそこに町一番の食べ物があるんだ。
p27
p:今日午前中にね、知らない女性が自分の感染症の足指を僕の口に突っ込んでさ。
b:女性の名前はタミー?
p:そう。
b:こんにちわギルバート。こちらはパーシー。
ギルバート(g):ようこそパーシー。
b:スペシャルドッグ二つ下さい。
p:?
p:そば粉マフィン二つと30個レモンのジュースを下さい。
p28
b:大丈夫だよ、パーシー。本物のドッグ(犬)を頼んだり絶対しないから。
p:ああ、うん、でも…
p:グゥ〜
p:僕が消化出来るのはそば粉マフィンとレモンジュースだけみたいなんだ。
p:他の物を食べると悪い夢を見ちゃうから。
b:じゃ、その二つが無い時はどうするんだい?
p:寝ないようにしてるんだ。
b:パーシー…大丈夫かい?
p:すごくお腹が減ってるんだ、バーナード。
b:ここじゃなくてマフィンストアに行こうか?
p29
p:いやいやけっこう…タミーがいるだろうから!
b:分かったよパーシー、分かったよ。
g:ドッグ二つ。
p:ドッグは…OK…タ…タミーは…NO…やだやだやだやだやだ…
b:ちょっと食べてみてパーシー。
p:うん、うん、もちろん…
p:全部大丈夫…
b:パーシー?
p:高山病だ。
b:パーシー!
p:うわ〜〜〜〜〜〜
p30
p:…全部大丈夫、全然問題無いん、全然。
b:パーシーおいで。
b:もっといい場所があるから。
b:歩きながらタミーについて話すよ。
p:うん分かった。
b:彼女の両親は地元のチーズ屋さんで、とても優しくて気前がいい人なんだ。二人が作るヤギチーズは昔有名だったんだけど。
b:父親も母親も晩年に病気になってしまったからタミーは仕事を引き継ぐ約束をしたんだ。
p31
b:でも彼女はそんな気はさらさら無いどころか、町の人々をいじめるようになったんだ。
b:両親の乳ヤギもだよ。
p:かわいそうに…
p:僕はそのヤギさんに出会ったと思うよ。
b:そうだね。たぶん君が今までに見た中で一番哀れな生き物だよ。
b:ヤギ達は無力さを感じて、たぶん、希望を失ってるんだ。
b:タミーの両親は乳ヤギを溺愛してたのにタミーは乳ヤギを捨てたんだ。彼女は自分の目に不完全に映るものとだけ関係を持つからね。
創設者公園
p32
p:彼女はたぶん、完全性は全ての終焉につながると思って怖がってるんだよ、バーナード。
p:完全なものなんか無いと言い張れば、なんとか自分自身の終焉を遅らせられるからね。
b:!
b:あともう少しだよ、パーシー。
p:オーケー。
p:グゥ〜
b:この噴水から水を飲めばすぐ気分がよくなるよ。
p33
b:これはこの町の創設者セーフリー・マートル夫人だ。
b:彼女は何千人も救ったけれど自分の鼻の病は放っといたんだ。
p:この水は効くね、バーナード。悩みの種が飛んでいっちゃったよ。
b:パーシー…
b;君の苗字は本当にグルーム(憂鬱)なの?
p:うん。
p:父方がグルーム一族で僕はハーフなんだ。純血グルーム族は交配期が過ぎるとほとんど死んでしまうんだ。
p:自己存在に意味を見出せなくてね。
p34
p:グルーム一族にとって人間の活動は災難の連続なんだ。
p:全ての出来事には崩壊の可能性があって、グルーム一族はそれに過敏に反応するから心が落ち着かないんだ。
p:グルーム一族は生まれた瞬間から当惑しっぱなしなんだ。
b:そうなんだ…君の父親は…もうこの世にはいない?
p:そう、その通り。
p:父は母と結婚した時、母なら父を救えると…母はほら、発明家だから…そして何とかして自分の遺伝形質を超えられればと願っていたんだ。
p:でも、生まれた僕を一目見てすぐ自殺しちゃった。
b:変わった亡くなり方だね。
p:グルーム一族では伝統的だよ。
b:パーシー、君も同じ事をするつもりなのかい?
p35
p:まさか、バーナード。僕はグルーム一族のたった一人のハーフなんだから。
p:生きるためにここにいるんだ。
b:安全ナウが君を雇ってくれるといいね、パーシー。
p:有難う、バーナード。
b:帰り道は分かるかい、パーシー?
p:ううん、全然だよ、バーナード。
b:そこを降りて、降りて、降りて、また降りるだけだよ。
p:有難うバイバイ。
b:バイバイ。
p36
観光ハウス
p:?
パーシーへ
p:ママかな?
守衛(守):私はきちんと仕事をしましたよ、グルームさん。決して彼女を中に入れませんでしたから。
守:…どんなに彼女が私を脅そうとも…
守:あのひどい足で…
p37
手紙(le):こんにちわパーシー・グルーム!マフィンは好き?好きだよね、だってあたいがあんたのために買ったんだから!
le:私の名前はタミー、タミー・ヤガパンザ。今朝会ったわよね。私の足があなたの口に入っちゃったけど、あれは偶然だったのよ!(^∀^)
le:足って最悪じゃない?ハハハ。私の足には意思があるんだわ、絶対!ハハ(^∀^)
le:でも、正直言うと、時々"かんしゃく”を起こしちゃうのよ。(`Д´)
le:だから私は地下堂に住んで古代の偉大なヤガパンザの修行をしてるの。
le:ヤガパンザは私達全てを死から救ってくれる。警告文書なんかよりはるかにマシ。崇高な存在よ。
le:偉大なるヤガパンザの全てを教えるわ、だって本当にあんたのおかげだもの。本当に本当にマジで本当に本当に本当に本当よ。
p38
le:だってあんたの口の中でツバが私の病んだ足指を治してくれたんだから、本当よ!
le:あんたとは特別なつながりを感じるの、あんたもそう感じてるはずよ…
le:あたいと結婚してパーシー・グルーム!結婚して!
le:ピカピカのちっちゃい赤ちゃんをあたいに授けて…
le:あたいの赤ちゃん…全て私の物!
le:結婚してパーシー・グルーム!
m:パーシー!
p39
pm:息子よ、大丈夫かい?
p:ううん、たぶんダメ。
p:仕事の面接には落ちたし、ヤギ嫌いのイジメッ娘には結婚を迫られるし。
p:なぜここにいるのか僕には分からないよ。
pm:私のパーシー坊や、頭を真っ直ぐにして回転させるのを憶えてるかい?
p:ううん、ママ。また忘れてた。
pm:さぁ、ぐるっと一回転させなさい。
p40
p:全部はっきり見えるよママ!
pm:そうよパーシー。全ての部品には嵌るべき場所や回路があるものよ。素晴らしくない!?
pm:お休みなさい坊や…
pm:いい夢を見るんですよ…
pm:…明日はきっと良い事がありますよ…
p41
第二章 目覚め (二日目)
p42
リラ(li):パーシー…
li:…ここは…私の本当の家じゃないわ…
p:リラ…行かないで!リラ!
li:…幸せになってね…パーシー…
p43
幸せになって幸せになって幸せになって幸せになって…
いやだいやだいやだ、いらないいらないいらないいらない…
p44
p:いらない…
p:いやだ…
p:ああもうやだ。
p:あぁ
シューッ
p:?
p45
安全ナウ警告文書研究所
親愛なるグルーム様
私の賢明な裁定にもかかわらず貴兄は採用されました。(次項へ)
le:すぐ来て下さい…
le:Aビルに着いたら3番ドアに進み、そこからD階まで来て下さい。BB塔にあなたの席を用意してあります。
p:ああ運命だ!
p:僕の人生がまた始まるぞ!
p46
フシューンッ
ch:うわうわ!グルームさん、グルームさん…ごめんなさいごめんなさい!
ch:僕達魔法石を探していて…
ch:それでこの石を取り出したんだけど何も崩れ落ちたりしなかったんだ…
ch:グルームさん、僕達はマフィンストアに行ってね…
ch:…でも誰もいなかったよ、タミーがマフィンを全部持って行っちゃったんだ。
ch:お腹減ってる、グルームさん?
p:うん…そうみたい…
p:グゥ〜
ch:ガムがあるよ。
p47
ch:さぁ、これを噛めばお腹が減らなくなるよ…
ch:でも飲み込まないで下さい…
p:なんで?
ch:だってガムだもの。
p:これ怪我するかな?安全ナウで僕の仕事が出来なくなる?
ch:うん、うん、そうそう、怪我すると思うよ、うん…
ch:そう、もし飲み込んだりすれば何か悪い事が起きるよ、うん。
p48
ch:そう、町全体が崩れちゃうんだ!
ch:へへ
ch:へー
ch:それで僕達は学校に行かなくてよくなる。
ch:ハハ
p:このガムは包み紙が可愛いね…
li:幸せになってね…
p49
私はあなたの斜視が嫌い。
t:私達が結婚する前にそれ治した方がいいわよ。
p:あ、こんにちはタ、タミー。ここはマフィンストアかい?
t:違う。あんた弱虫なんだから。ここはあたいの聖なる地下堂。
t:あんたをここまでひきずって来たんだからね。
t:マフィン一個であんたを打ったの…たった一個のマフィンよ。あんた弱すぎ。
t:それも治さなきゃね。
p50
t:私は古代ヤガパンザの事で忙しいんだけど、一回だけ食事させてあげる。
p:あ、有難うタミー…
p:…でも僕行かなくちゃ。安全ナウに雇われたから…
t:黙って食べられないの??
p:はーい。
t:それ知ってる!!
p51
p:何を知ってるってタミー?
t:あんたがいいテーブルマナーを心得てるって事。
p:でもタミー、ここにテーブルは無いよ。
p52
t:結婚する前にその眼を治しな!
p:うわ〜
p:分かったよ。
p:うわ!ヤギさんごめんなさい。
パシャーン
ヤギ(go):彼女またやったな。
go:かわいそう、哀れなタミー…
go:抑えられない衝動…そして「終焉」の恐怖。
go:あぁかわいそうに。
p53
go:あなたにはおかしな事じゃないですかグルームさん?
p:何がおかしいのヤギさん?
go:メェー
go:メェー
go:メェー
go:人間は自分達が作り出した不幸を嘆いてるんだから。
p:僕達にもそういう傾向はあると思うよ。
go:グルームさん、僕達は夏至冬至の日にオペラでヒットしたベルカント曲ばかりのコンサートをするんだけど。
go:よかったら来ませんか?
go:タミーの両親が歌い方を教えてくれてね。呼吸をコントロールするんだ。乳絞りの時間が楽しいものになったよ。
go:素晴らしい人間だね…
go:安全ナウはあの角の近くだよ。
go:間も無く着くからね。
p:ああ、なんて落ち着くんだろう。
p54
go:どうかグルームさん、タミーには何も終わってないんだって教えてもらえますか…
go:まだ始まってもないんだって。
go:メェー
go:メェー
go:ああそうそう…水飲み場でのゴタゴタは失礼しました。
p:こんなに腹減りでなければいいのに、これが僕の運命か…
p:グゥー
p:グゥー
p:グゥー
p:やった!!子供達のガムがまだ袖に入ってた。もう食べるしかないよね。
p:飲み込まないで噛むだけ…
p:ヤギさん有難う!
p:飲み込まないで噛むだけ…
p55
初心者は注意して進め
p:Aビルの3番ドア、ドアを飲み込んじゃダメ…
p:おっ。
p:ここを通って
p:…D階へ…
A塔
p:A
p:A-1-A
AA塔「焼けどとすり傷」
p:AA
「鼻に異物」
p:まいったね。
p:?
「有痛弾性物」
p:!
p:AAA
p:ここは何処だここは何処だ…
p56
大BB塔
レオの部署
「いつでも働いてます」
p:やぁ!着いたぞ。
p:こんにちは?レオさん?
p:おー…わお!
p:安全ナウに僕の机がある!
p:机さんこんにちは。
この机からブレンダBは永遠に退いた。
「親指を失ったが多くの賞賛が得られた」
p:これが最初のテストアイテムだな。
p57
p:ヘアーブラシ。
p:イタッ。
p:「噛むと危険。歯を傷める可能性有り」
p:ああ僕はなんてこの仕事に向いてるんだ。
レオ(Leo):ようこそ兵士君。
p:あぁ…こんにちはレオさん。
Leo:君は既に頑張ってるようだな…
p:はい。
Leo:自分の勇気を試す準備は出来ているかな?
p:なんですか?
p58
Leo:お前が食べているのはガムだな?
p:はい、はいそうです…
Leo:素晴らしい。ガムは危険で有名だ。
Leo:立て、グルーム。
Leo:君の顔をもっとよく見たいな…
Leo:…さぁ、これで我々は同じ塹壕にいるわけだ。
p59
Leo:お前は耳が大きいな、グルーム。
Leo:ここらへんの者では無いだろう?
p:?
p:違うよ。
Leo:外国からか?お前は幸運だ…
p:?
Leo:その伸び縮みウエストゴム…非常によく考えたな…
Leo:しかしゴムだって危険だ、知ってるだろう。
Leo:物に引っかかるからな。
Leo:へへへへへ
Leo:ほほう…お前の初めてのテストアイテムが…
Leo:…「女の子」用ヘアーブラシ…
p:???
p60
Leo:オレについて来い、グルーム。
Leo:オレがテストしてる物を見せてやる。
Leo:あそこだ。
Leo:美しいだろ?見ていて楽しくなるな。
Leo:まるで生きてるみたいだ、だろ!?
Leo:百科事典のフルセットだ…
Leo:世界の全知識が…
Leo:一つの落下危険物に還元されている。
p61
Leo:お前はこのエレガンスさを賞賛しなくてはならないぞ…
p:有難う、レオさん。
p:でも自分のヘアブラシに戻るとするよ。
Leo:グルーム!
Leo:どっちの眼が本物だと思う?
p:う〜ん、分からないよ、レオさん…
Leo:どうしてオレの手がフックになったか分かるか?電動いも皮剥き器のせいだ。オレの働きがあったから世界はより安全になったんだ。
p62
Leo:グルーム…グルーム!
Leo:お前の椅子をオレに投げろ!さあ、オレにガツンと投げつけろ!!
Leo:全力でぶつけるんだ!
Leo:オレに投げろ!オレにぶつけろ!オレに
p:いや、あぁ、いや、レオさんお分かりでしょう…
p:安全ナウの規則によれば怪我していいのは自分だけなんですよ。
Leo:おい…オレ達は「ホワイトカラー」系なのか?
Leo:勲章を胸にいっぱい付けてよ、座ったままで何もしねぇで、ただ規則を読んでるような試験官にはオレはならなかったよ。
p63
Leo:お前が優しいのは分かるが…
Leo:自分の手を汚すのを恐れてる…
Leo:高潔な下働き野郎だよ。
裂傷一位、脳震盪一位、失血一位、皮膚移植一位、安全ナウ賞-最高証明書-警告サービス業において自己損傷による功績を称えます。
p64
p:レオさん?
p:レオさん?マーガレット女史とはお友達ですか?
Leo:なんで?何を聞いた?
p:いえいえ何も。僕は僕は僕は…
Leo:リラックスしなグルーム、怖くて固まってんだろ。
Leo:こっちに上がって来いよ。「上に立つ者は孤独」だがな、ハッ…
p:いや、それは出来ないよ。
Leo:頼むぜ…百科事典を落とすレバーを押し下げてくれよ。
Leo:すげー助かるんだけどな。
p65
p:あの、あー、ヘアブラシを使ってテストを30回しなくちゃならないから…
Leo:じゃあヤレよ!!!
p:???
p:おう。
p:「取っ手を耳に入れるのは危険:失聴の恐れ有り」
Leo:そうだ、グルーム…電灯のスイッチを押してもらえるかな?君の後ろにある…
p:あ、うん、もちろんだよ、レオさん、よろこんで。
p:丁寧に聞いてくれてうれしいな。
p66
トゥイーーンズズズーン
ムーンムーンムーンキャシャーン
Leo:バ〜カ!ハハハ。ありがとよグルーム!
p:うわっ!
p67
みしっみしっバリバリバリッ
p:うわ、まずい!レオさん、まずいよ!!!
p:助けなきゃ。
p:うわ…
p:うわ〜!
p:レオさん、あぁ、レオさん!
Leo:聞いて…くれ…グルーム…
p68
Leo:本は人を殺せるぜ!ハハヘハハ。
Leo:でもまだオレは死んじゃいねぇ、近づくな!賞金はオレのもんだ。
Leo:もう少し…
Leo:愛しいマーガレットちゃん…
Leo:来てちょ〜だいっ!
Leo:机に戻ってろ、グルーム!
Leo:命令だ!
p69
Leo:痛ぇ…
Leo:うぉ〜すげー痛ぇ。
mar:レオさん
mar:来ましたよ。
Leo:あぁ、こんにちはマーガレット…
mar:百科事典セットのテストが終わったのね?
Leo:そうだ、マーガレット…
Leo:もちろん仕事はほとんど一人でやったよ。さぁいつものように…
p:?
p70
mar:それではお望みの報酬をどうぞ。
Leo:有難うマギー…いや…マーガレット。
mar:出てきた?
mar:そうね、レオさん、はっきり出たわ。
Leo:成果を宣言しに行ってよろしい。
Leo:腰抜けども、これを見やがれ!
leo:見て悔しがれ、オレの勝ちだ!ワハハッ!
p71
mar:ところでグルームさん、現代のヘアーブラシはどのくらい危険かしら?
p:ええっとマーガレットさん、ヘアーブラシは…
p:!!!!!!あれっ…
mar:どうしましたグルームさん?
p:ガム…
p:ガム
p:ガム飲んじゃった!
p:かなり危険なんです!良くない事が起こりそう…
mar:じゃあ行きましょうか、グルームさん。
mar:そのうち元気になりますよ。
p72
mar:あなたが休んでも困った事態にはなりません。
mar:我々は二重三重のクロスチェックをして最も厳格な基準を維持していますから…
mar:しかしそれでもお客さんは我々の警告文を読もうとしないんだから。
mar:権威を嫌ってるのかしら?不名誉な夭折を味わいたいのかしら?それとも何らかの親切で偉大な力が人生の道を作ってくれるとでも思ってるのかしら?人生というこの芝居の中で自分の役割を放棄できるとでも?
mar:我々には優れた精神があります、グルームさん…
出口:ゆっくり開けろ
注意:ドアは内側に開く
mar:…馬鹿者に仕える優れた精神が。
病棟→
p73
mar:あなたの純真さに感心するわ。
mar:シクシク
mar:回復のために明日休んでも結構ですよ。
mar:さぁ行って、グルームさん
mar:行って。
mar:行って。
p74
p:あ!
p:リラ…リラ!僕、ガム飲んじゃったんだ!
p:リラ…僕達すぐ一緒になれるよ。
p:リラ?
p75
看護士(士):患者接近!
p:う〜ふっ
士:ベッドの用意!
p:リラ、何処にいるんだい?
p:なんでリラ、…何故なの?
b:パーシー!?
p76
p:バーナード…リラがいなくなって…
b:誰?
p:死んじゃった死んじゃった死んじゃった。
b:パーシー…落ち着いて
p:奴らが彼女を連れて行ったんだ!奴らが!あいつらが!ああリラ…リラ!
やだやだやだ
p:やだ…
p77
b:「漏斗頭」?
p:そう。
p:あいつらは小さな団体で…
p:漏斗の帽子をかぶってるのが特徴なんだ。
p:リラは僕と結婚するずっと前から入信していて。
p:趣味クラブだろうと思ってたんだけど…
p:会合の後、リラはいつも楽しそうだったし…
p:…恍惚としてたよ…
p78
ジニア(Zinia):漬物のネギ、漬物ネギあるよ!!
b:ジーニャ、一本下さい。
b:続けてパーシー。
p:リラはびっくりするくらい美しかった。
p:僕にダンスを教えてくれて。
p:一度リラの友達連中に会いに行った事があるんだ。彼らはとても自信に満ちていて幸せそう… …特にフィンガーはそう…
p:フィンガーはいつも幸せそうだった。
p79
p:人々に真実を指し示すところから彼はフィンガー(指)って言われるようになってね。
p:リラは僕が思ってた以上にフィンガーを崇拝してた。
li:あのねパーシー…
li:私、フィンガーの子を身ごもってるの!パーシー…あなたは素晴らしい人なのに私が全てを台無しにしてしまったのね!
p:子供は子供だよ、リラ。僕は自分の子供のように愛するから。
li:シクシク
p:僕は人生を一緒にすごそうと夢見ていたんだ…
p:…でもリラはもう遠くに行ってしまってた…
p80
p:そして彼女の漏斗が届いた…
li:美しくない!?これを通してより高度な知恵が入ってくるってフィンガーが言うのよ!
p:?
p:フィンガーはリラに漏斗頭サークルの入会儀式を施して…
p:?
p:…で彼女は新しいドレスをもらい、秘密の挨拶を習った…
li:パーシー!疑う事はひどい病気なんだって、フィンガーが言ってたわ。
p:でも…
li:パーシー、私はもう自分を浄化させないといけないの。
p81
p:「浄化」とはつまり、断食、祈祷、そしてベッドを別にする事だったんだ…
li:セプドルラエ タレビル セプドルラエ タレビル セプドルラエ タレビル セプドルラエ タレビル
p:僕は彼女の熱心さを喜ばしい事だと勘違いしたんだね。
p:その後間も無くリラは仲間達と遠出する事になって、僕は待ち合わせ場所まで送って行ったんだ…
li:まっすぐになってる?
p:うん。
p82
p:…そしてサヨナラを言った。
p:もう彼女には会えないだろうって気がしたんだ。
p:…なぜか分からないけど。
p83
p:翌日、ある噂を聞いたんだ。
p:「漏斗頭団」は心得違いの者達の魂を解き放つため解放行脚を計画してたんだって。
p:フィンガーも自身の解放を求めていたんだ…
p:彼は15の州に100人もの子供を生ませていたんだって…
p:彼には逮捕状が出てたんだ。
p84
p:数マイル先に移動遊園地が来てるのを聞いたフィンガーは…
p:その場所も仲間の事もよく知ってたから…
p:どちらも自分の目的、つまり最終解決に役立つって分かったんだね。
p:人間パチンコ玉にしようって。
p85
p:方向が逸れたから遊園地に来てた人は誰も怪我しなかった…
p:…でも漏斗団員は全員死んじゃった。
p:時々思うんだ…
p:リラは転がりながら疑念を持っただろうかって。
p:そして今やタミーが僕と結婚したがってる。
b:あぁ、聞いたよ。タミーは欲しい物をはっきり口にするタイプだから。
p86
b:タミーにとって君は汚れていない新参者なんだ…
b:彼女に新しいスタートを切らせるような。
p:僕は関わりたくないな。
p:彼女は自分で幸せを見つけなくちゃ、人の助けを借りずに。
b:パーシー、君を信じて言うが、
b:今、君の助けが必要なんだ。
p:うん…分かった…
b:僕は秘密のネットワークを持ってて、ある階級の人々を匿ってるんだ。
b:タミーの両親も入ってるんだけど。
b:彼らを助けてあげて欲しいんだ…やってくれるかい?
p:うん。
p87
b:有難うパーシー!これが指示書だ、誰にも見せないでね。
p:君はタミーが好きなんだね…
b:パーシー、僕は合理的な人間だよ…
b:…でも愛に説明はいらないよね…
b:バイバイ。
p:バイバイ。
指示書(指):「おお、勇気ある者よ!…よく聞け。
p88
指:「日は昇り、露店は下に…
指:「全ての高貴な者達が食料を当てにし…
指:「されども、盗賊がお前を捕まえるだろう…
指:…最後には…
指:…お前は十分味付けされて友へ供されるだろう」
p:小さなポエムを有難う。この素晴らしいパズルを楽しむとするよ。
p:おっと!日が沈んでしまったね。
p89
p:読むには電灯が必要だ。
p:「全ての部品には嵌るべき場所と回路がある」と。
p:!
t:!?
t:あんたその頭どうしたの??
p:頭?頭って何、タミー?
t:その紙は何よ?
p:え、紙、タミー?
p90
t:教えなさいよ…
t:教えろ!
p:タミー。
p:君にメッセージがあるんだ…
t:言いなさいよ!
p:何も終わったりしないし…
p:…まだ…
p:…始まってもいないんだって…
p91
t:誰があんたに言ったのよ?
t:誰が言ったの?
t:う〜ふっ。
守:カチャン。
p92
pm:パーシー坊や?
p:こんばんはママ。
pm:忙しい一日だったかい?
p:本当に。
pm:坊や、すまないけど明日私ん家に立ち寄ってくれるかい?ちょっとした物が完成しそうなんだよ。
p:お安い御用だよ、ママ。早朝の用事が済んだらそっちに行くね。
pm:有難う。
pm:おやすみなさいパーシー。
p:ママもね。
p:…そしてみんなもね。
p93
第三章 帰還 (三日目)
p94
p:「日は昇り」…
p:…「露店は下に」…
守:おはようございます、グルームさん。
p:おはようさん。
p:僕の車見張ってくれる?すぐ戻るから。
p:下町の市場に行くんだ。
守:へぇ?
p95
守:グルームさん…
守:食べ物は他でも買えますよ…
p:そうだ、「露店は下に」は地下市場に違いないぞ。
p:は!あの子供達がまたいたずらしてるな!
p:バーナードが僕を信用してこの仕事を頼んでくるなんて光栄だな。
p:そうさ。
p:バーナードは僕の友達だ。
ch:こんにちは!
ch:グルームさん!
p:おはよう子供達。魔法石は見つけたかい?
p96
ch:まだです…今のところまだ。
ch:へへ。
p:そうかい、忍耐強さが成功の鍵だよ!
ch:そうですね。
ch:へへへ。
ch:仕事に行くところですかグルームさん?
p:いや、今日は違うよ。ちょっとした雑用があってね…
p:…地下市場に。
p:僕に道順を教えてくれるよね?
ch:?
ch:?
ch:グルームさん、どうしてあそこに行きたいの?
ch:お腹減ってるならマフィンの残りがあるよ!
ch:道に落ちてたやつだけどきれいだから!
p:ああ…そう…お腹空いた気がするな…
p:グゥー。
p97
ch:これ食べて…噛んで飲み込んでも大丈夫だから!
p:親切に有難う。
p:でも僕は地下市場に行く必要があるんだ。
p:何処にあるか教えてくれないかな?
ch:でも市場は他にもあるよ。
老:そこの方、上ですよ!
老:上に行って、上がって、もう一度上に上がる!
ch:グルームさん、僕達付いて行くよ。
p:分かったよ。
ch:ああ、えっと、グルームさん…
p:うわ!ふぅ、急な坂道だね…
ch:僕たちの両親もあなたみたいに大耳なんです。
p98
ch:両親もあの市場によく行ってたんだ。
ch:ほら、そこ…
p:やぁ、着いたぞ。
ch:グルームさん?
p:なんだい?
ch:えっと、あの〜、戻って来るよね?
p:なんで、もちろんだよ!
p99
p:すぐ戻るからね。
p:僕はただ使い走りしてるだけさ…
p:友達のバーナードのためにね…
p:おっと!
p:え〜っと「全ての高貴な者達が…
p:…食料を当てにし」
p100
帽子、包帯、松葉杖
p:すいません、食べ物は何処で売ってますか?
人:お腹を空かせてるのは誰だい?
p:?
p:グゥ〜
p:たぶん僕だと思う。
p:グゥ〜
人:先にもっといい帽子を買いな。
p101
p:?
p:グゥ〜
p:マフィンの残りを食べる時が来たね…
p:グゥ〜
p:お〜っと!
p:うわ…こんなに人がいたの!地上の人々とはずいぶん違うな。
p102
おかゆ
p:あ、あのすいませんが。
p:食べ物の方に向かってるんですか?
p:?
p:うわ〜
おかゆ
p:おかゆ?
p103
高貴な者(no):食料を求めてこちらまで?
p:うん…
no:ここは初めてですか?
p:うん…
p:グゥ〜
no:では私について来て下さい…
no:…下層民から離れましょう…
p:?
p:あそこに書いてある「おかゆ」って何ですか?
p:聞こえてるのかな?
p:「全ての高貴な者達が食料を当てにし」
p:この人は高貴に見えるけど…
p104
no:本当の市場はこちらです…
no:ここは古代の地下堂です。湿度と気温が一定に保たれてますが、これは完全不滅性の象徴でもあります。
p:?!
no:選ばれし者だけがこちらの階段を降りられるのです。
p:?
p:ポエムの後半はどうだったっけ?
p:喉まで出掛かってるのに…
no:見たまえ!
no:あなたの目的はここで見つかるでしょう。
p105
p:でも僕は目的じゃなくて食べ物が欲しいんだけど。
no:貴方はとても大きな耳をしてますね。なにか意図があるのでは?
p:え〜っと…考えた事も無かったけど…
p:食べ物は何処だろう?
p:?
p:もしもし…
p:あのランプから降り注いでるのは何ですか?
no:闇ですよ、もちろん。
p106
p:闇?なんで?
p:すいませんが食べ物は何処ですか?
p:もしもし?
p:もしもし?
p:わっ?
no:貴方が食べ物なんですよ。
p107
p:え〜、いや、結構です…
p:やめて…
p:やめ…
no:耳に触るなよ!
no:俺が連れて行く…
no:ダメだ。俺のものだ!
no:やめろ…お前は一番最後だ!
no:俺によこせ!
no:馬鹿野郎!
no:俺が見つけたんだ!
no:嘘付け!
p108
no:間抜け!
no:やめろ!
no:イテッ!
p:僕には友達がいるんだ…
p:名前はバーナード…
p:で、僕は彼のために使い走りしてるところなんだ…
p:グゥ〜
p:グゥ〜
p:ダメ!今は、お腹をすかせちゃダメ…
p:鳴り止んで!…盗賊がお前を捕まえるだろう…
p:静かにして…
p109
p:簡単な使い走りをして…
p:その後、ママん家に行くんだ
p:レモンティーが待ってるの…
p:ママは紅茶の入れ方が上手だし…
p:たぶんマフィンもあるはず…
p:ママはマフィンを焼くのはあまり好きじゃないけど…
p110
p:ここは安全そうだ…少し休もう…
p:ちょっと前までは思考力があったのに…
クチャクチャ
クチャクチャ
クチャ
p111
p:ダメダメダメ、腹減り、ダメダメダメダメ
クチャクチャ
p:グゥ〜グゥ〜グゥ〜グゥ〜
クチャクチャ
p:グゥ〜グゥ〜グゥ〜グゥ〜グゥ〜グゥ〜
no:あそこだ!
p112
p:やめてやめてやめて下さい、やめて下さい、やめて
p:ヤダヤダヤダ
no:こいつのポケットを調べろ!
no:お金は?
no:ガムの包み紙だけだ。
no:まぁ少なくともぽっちゃりしてるから、今日食べちまおう。
no:おかゆマン様へ!
p:?
p113
no:我々に長生きを!我々に長生きを!
p:す、すいません…
p:うわうわうわうわうわ
p:僕をどうしようってんだ?
p:悪い夢を見てるのかな?
p:「されども、盗賊がお前を捕まえるだろう、最後には…
p114
ジョージ(g):よし、味付けするか!
g;このハーブを突っ込めばおいしくしかも黙らせられるからな…
g:動くなよ…間も無くお前の創造主に会うんだから。
p:何??
女:ジョージ急いで、みんなに食事を与えなきゃ。
女:もう恥ずかしがらなくていいんだよ…
女:もっと大きな目的のために仕えるんだから…
女:死はとってもひどい疫病なの…
女:それを避けるため、私達は死にゆく人を食べなくちゃならないの。
p:でも僕は死にかけてない…
p115
p:瀕死の人を食べる?…僕を?
p:バーナード…何故なの?
女:この大きな耳!あなたの病気はかなり進行してるね。
p:???
女:あんたがおかゆになれば素晴らしい救済になるのよ!
p:何?何?何て?何?
p:????
女:ヤガヤガがゆ!!
おかゆマン(m):ヤガ…
m:パンザ!
p:ヤガパンザ?
p116
合唱:ヤガパンザヤガパンザヤガ、ヤガパンザヤガパンザヤガ、ヤガパンザヤガパンザ
女:ヤガパンザ!
m:ヤガパンザヤガパンザヤガパンザヤガパンザヤガパンザヤガパンザ
ヤガヤガヤガヤガ
p:?
p:タ、タミー?
p117
p:ああ…
p:これが死なんだ…
p:…夢の中に沈む感じだね。
p:終わり良ければ…
p:このスープ妙にぬるいなぁ…
p118
m:グルームさん!シーッ!
m:息を五秒止めて…
m:有難うございます!
p:い〜ち
p:に〜い
p:さ〜ん
p:し〜い
p119
p:五秒。
小人(小):排水路を開けろ!
小:排水路開けました!
小:脇へ寄せろ!
小:寄せて!
小:動かせ!
小:おお、ひよこ豆だ!
小:サイコー!
タミーの母(tm):これで一週間は余裕で食べられるわね!
tm:グルームさん私達の避難所へようこそ。
p120
小:グルームさんグルームさん
小:ようこそグルームさん
小:あなたが来るのをどれだけ待っていたことか
小:グルームさんグルームさん
小:どうぞ、私の兄弟に…彼は最も…
小:私の素晴らしいイヤリングは…大麦三袋の…下にしまって…食器棚の…
小:私の子供が家族…望んで…
小:グルームさんとても…
tm:みなさん!明らかに客人は困惑していますよ。
小:ごめんなさい。
タミーの父(tf):どうぞこちらへ。
tm:大鍋からの水流下りは楽しかったですか?
tf:ああして私達はみんなここへ来たのです…
tf:私達はここが気に入ってます。
tm:…でも、あちらも懐かしいですけどね。
p:あなたがたは誰なんですか?
tf:おぉ!…すいません!
tm:私達、タミーの両親です。
p121
tm:私達の娘をご存知と思いますが…
tf:知り過ぎてるんじゃないかな。
tm:おかゆマンのパフォーマンスは楽しかった?彼のバリトンの声は素晴らしいでしょ。
p:おかゆマンは僕を料理しようとしたんじゃないの?
tf:まさか違いますよ!彼は私達のスパイです!バーナードの友人でね。あの大鍋を作ったんです。
p:でもあの人達…市場にいた…
tf:ああ、そうです…あいつらは確かに貴方を食べたがってました。
tm:あなたが死にかけてると思ったんですよ。
tm:あなたの大きな耳のせいですよ、グルームさん…
tf:…それが最初の死の兆候なんです…
tm:この兆候が出ると私達は生贄にされて食べられてしまうんです。
tf:…そうやって死への免疫力を高めるんですって…
p122
tm:もちろん我が娘タミーのアイデアなの…
tf:彼女には繊細さが無いのです。
p:タ、タミー…あなたがたの娘さんが…お二人を料理して食べちゃえと命じたの?
tm:そうですよグルームさん。てっきりご存知かと思ってました。
tf:タミーはこの運動の精神的指導者なんです。
p:何の運動?
tf:珍奇なヤガパンザ運動ですよ、もちろん。
両親:その事は聞いてますよね?
p:うん、でもただ地下堂で修行してるだけだと思ってたから。
tm:こちらへどうぞ…
tf:驚かせてしまったようですね。
tm:ちょうど良い椅子がなくてごめんなさい。
p123
tm:私達はバーナードと連絡を取り合ってるんです。あなたの事すごく誉めてましたよ!
tf:そうだね。
tf:年代物のチーズです、召し上がれ!
p:有難う。
tf:ママ、彼のテーブルマナーを見なよ!
tm:ちょうどいいテーブルも無いですけどね!
tf:テーブルマナーがバーナードと同じだ。
tf:タミーとバーナードは子供の頃に出会ってからずっと一緒だったんです。
p124
tf:私達はそれがうれしかったんですよ。
tm:タミーはかわいいけど野性的な女の子で。
tf:バーナードから穏やかな影響を受けていたね。
tm:何年も毎日一緒に過ごし、本を読んだり、ヤギの世話をしたり、植物を勉強したり…
tm:毎晩帰ってくると娘はとても寂しそうな表情を浮かべて…
tf:「あぁ、なんで一日は終わってしまうの?」ってタミーが悲しむから、私達は「お嬢ちゃん…何もまだ始まってないよ!」って言ったものです。
tm:「歳月や時間はただの概念なんだから」って、でもタミーはその抽象概念を受け入れようとしなかったの。
tf:この世の背後に流れる永遠の不変性を説明しようとしたのですが。
tm:ただ彼女をもっと強情にしただけでした。
tm:そして彼女が12歳の時にお気に入りのヤギが死んで…
tm:そこに写ってるマリゴールドちゃんです。
p125
tf:自分が愛した人や物は全ていなくなってしまうとタミーはふと気付いたのです。
tm:死は大いなる裏切り行為になり…
tf:タミーは私達から離れて育ち…かわいそうにバーナードも遠ざけるようになったんです。
tm:彼女は「終焉」で頭がいっぱいになりました。
tm:グルームさん、この下に本があります、開いて下さい。
p:タミー、昔は違ったんですね。
p126
tf:私達は彼女が落ち着けばいいなと思いながら何年も普段の生活を送っていたのですが。
tf:彼女が「ヤガパンザ」の教義を作り上げていたなんて全く知りませんでした。
tm:「死は恥ずべき病だ。死にかけた人を食べて死を克服しよう」
tf:子供っぽいナンセンスです。
tf:この町の産業は警告業ですから、タミーのアイデアは自然と受け入れられたんです。
tf:反対する人は町から追い出されてしまいました。タミーが最初の生贄を命じた時、残った人々は賛成するか怖がりながら生活するしかありませんでした。
tf:あ、でもバーナードは彼女をよく知っていたし…
tm:市場の地下トンネルもよく知ってたから…
tf:バーナードはタミーの一歩先を読んでたのさ!この洒落た避難所を作ったのも彼なんだ。
tf:あいつらの妄信を満たすためにね。
tm:あの運動をしてる人々には見つかってないわ。あいつらは私達がおかゆに混ぜられたって今でも信じてるわ…
p127
tf:ところであなたがたはどうやって死ぬんですか?
p:え〜と、父方は突然死の儀式を行って自害します。
tm:まぁうっとりするわ!技術を要するんでしょうね。
tf:で、母方は?どういうやり方で?
p:え…と、知らないんだ…
p:聞いてみようと思ったことも無いや…
p:…教えて…くれたことも…無かったし。
p128
li:ああパーシー…
li:あなたの父親には大変敬服するわ!
p:なんで、リラ?
li:お別れをする時間と方法を自分で決める勇気があるんだもの。
p:ただの家風だよ、リラ。
li:違うわ…お父さんは勇敢よ。
li:あなたのお父さんは強硬手段を取ったのよ。人生は大きな虚構で、つまらない経験しか私達に与えない。これはフィンガーが言ってる事だけど。
li:あなたのお父さんを好きになっていたと思うわ…
li:…お父さんは勇気があるわ。
tm:グルームさん?
tm:大丈夫ですか?
p:うん、大丈夫。
p129
p:それで…あなた方の死に方は…縮んで?
tf:そう。原因が何であれ全て縮んで死にます。
tm:この町独特の伝統です。
tf:耳だけが元のままの大きさで。
tf: For a time the body shrinks around them, then they fall away...(まず耳の周りが縮んで、それから耳が痩せていく…。[?])
tm:…で知覚が敏感になるんです!
tm:縮むにつれて私達は感覚が広がって!認識する全てが…とってもこそばゆいの!
tf:素晴らしい悟りが開けて、で、ポンッ、私達はもう何処にもいない。
tm:きれいさっぱりね。
tf:昔は、悟りを開いて他界するのが喜ばしい慣習だったのです。
p:でもタミーがそれを禁止し、あなた方の死を早め、愛するお二人から離れていった。
tf:そうなんです。やり方は逆ですが、タミーはみんなを救っていると思ってるんです…
tm:「終焉」からみんなを救ってると。
p130
tf:ああタミーに会いたいよ!
tm:彼女の熱くうるさい生き方!もう一度だけでいいから娘に会いたいのです、グルームさん!
tm:どうか…あなただったら彼女も話を聞くはずです!この手紙を渡して下さい…タミーの考えが変わるかもしれないから!
p:もちろんです。
ポンッ
両親:おっと…
tm:しばしばこうなるんですけど…
tf:突然縮むんです。
tm:予想はしてましたが。
tf:もう私達の時間はもう残り少ないのです。
tm:今日タミーに会ってくれますか?
p:うん…すぐにでも!
tm:有難うグルームさん!
tf:業務用階段が、その先、左にあります。
p:さようなら。
両親:さようなら。
p131
p:ヤギさんは正しかった…
p:お二人は本当に素晴らしい人だったな…
p:…そしてたぶんもう会う事は無いんだろう…
p:でもタミーには会わないと…
p:彼女を説得しなくちゃ。
p:タミーはみんなを怖がらせて町を一掃しちゃったんだ。
p132
p:でも僕は彼女を恐れないぞ…
p:お、恐れないぞ。
p:彼女を説得しなきゃ。
p:タ、タミー?
p:タ、タ、タミー?
t:ヤガヤガヤガヤガヤガ
p:?
t:ヤガパン
t:ヤガパンザヤガパンザ
p:うわぁ。
p133
t:ヤガパンザヤガパンザヤガパンザヤガパンザ
p:タ、タミー?
t:ヤガパンザヤガパンザヤガパンザ
li:セプドルラエ タレビル セプドルラエ タレビル セプドルラエ タレビル
p:あ、あのタミー?
t:忙しいの…
t:あなたの知らない理解も出来ない領域にいるから…
t:ヤガパンザヤガパンザ
p134
p:で、でもタ、タミー、伝えたい…
t:黙れ、疑念を持つ馬鹿者よ!新たな生贄の代わりにお金を持ってきたんなら、床に置きな、今すぐ!
p:違う違う違う違う違う…
p:やだやだやだやだやだやだ
t:ヤガパンザ
p:タミー!
t:失せな、坊や!
t:ヤガパンザ
t:ヤガパンザ
p135
t:ヤガパンザ
t:ヤガパンザ
t:ヤガえっザ? ヤガパンザ
t:ヤガ
t:パンザ
t:う〜ヤガヤガ
p136
p:うわ!怪我させちゃった。
t:斜視治せって言ったでしょ!
p137
p:タ、タ、タミー!完全な物なんて無いんだ、ここにも、どこにも。
p:し、死ぬのは…
p:悪い事じゃないんだ!
t:?
p:あんな素敵な人達を鍋で煮ちゃうなんて…
p:料理しちゃうなんて!
p:アーーーーー
p:アーーーーー!
p138
p:どうしたらいいだろう?
p:誰も守れなかった…
p:…しかも他人に怪我させてしまった。
p:死んでしまいたい!
p139
p:タミーに投げつけるの楽しかったな!止められなかった…
p:僕は何も出来ない…役立たずだ!
p:何のために生きてるんだろう?
p140
p:ああやっとママの家に着いたぞ。
p:たぶんここなら…
p:…心臓のドキドキが収まるかも。
p:急に吐くのもドキドキが収まるし。
p:やあ…ミリセント!こんにちは。
p:そうそうミリセント、僕、しゃべるヤギに会ったよ!
p141
p:君はしゃべれるかい?
Millicent(mil):そんなわけないよ、パーシー…
mil:僕はヤギじゃないんだ。
p:くんくん
p:ママが焼いてるな…
p:そば粉マフィンを。
p:ママはなんで立ち寄ってくれって言ったのかな…
p142
p:ママ?
シュー
p:ママ?
シュー
p:うわ〜
シュー
パーシーの母(pm):マフィンはテーブルの上よ、坊や!
p:あぁママ…つかまって!
p143
pm:ハッ…もう少し…
p:手伝うよ…
pm:ヤッター!紅茶用お砂糖入れよ!
p:ママ…何でお砂糖入れを手の届かない所に置いたの?
pm:なぜって、あなたが来るって分かってたからですよ!
pm:ウフフ
pm:さぁ紅茶を入れましょう。で、用事は済んだのかい?
pm:おやおや元気付けが必要かい。
pm:おいで…
p144
pm:ずっと前によく旅行したのを憶えてるかい?
p:もちろんだよママ…
p:時間を潰すのに発明品を考案したりしたね。
pm:その通り…
pm:さぁ坊や、その内の一つを作り上げたのよ!
pm:「水を加えるだけ」シリーズの一つよ…さぁどれだと思う?
p:インスタント道路?
pm:違う…
p:インスタント橋?
pm:違うわ…
p:インスタント山?
pm:正解!
p145
pm:プロトタイプを湖に浮かべて育てたのよ。
pm:毎日成長を確認しながらね…
pm:漕ぐ準備はいいかい坊や?
p:うん、ママ。
pm:「インスタント山」ちゃんは順調だったの…
pm:…昨日までは…
pm:異常を見つけたのよ。
pm:何年も研究してきたあの触媒のせいじゃないし…
pm:…で、分かったの!
p146
pm:あなたがよく考え事をしてたあの場所にインスタント山を置いちゃったんだって気づいたのよ。
pm:私はなんてうっかり屋さんなんでしょう!
p:よく分からないけど、ママ。
pm:思考は鳩みたいなものよ坊や…
pm:安全と思える場所にいつも飛び戻ってくるの。
pm:あそこよ。
pm:あなたの思考が頂上から穴を開けてしまって、吹き抜け構造になってるわ。
p:うわぁ…
pm:さぁ、ここから入りましょう。
p147
p:あれが僕の思考?
pm:厳密に言うなら後悔ね。
pm:あんたはいつもリラの事を考えていただろ?
p:何故僕は彼女を救えなかったんだろう、ママ?
pm:彼女が救って欲しくなかったからだよ。
pm:頭は天国に行っちゃってお腹は熱意でいっぱいだったから彼女にはあなたの入る余地が無かったんだよ、坊や。
p:あれ治すよ、ママ!
pm:いいんだよ。燃え尽きるまで放っておきなさい。
p148
pm:あなたを呼んだのにはもう一つ理由があるのよ。
pm:お父さんからの手紙…
pm:今日の誕生日にあなたへ渡してくれって。
p:今日は僕の誕生日?
pm:そうだよ。
p僕、何歳?
pm:年取ったわよ…とっても…
p:?
pm:子孫に指示書を残すのがグルーム一族の慣習なの。
pm:あなたのお父さんがどれだけここに居たかった事か、面と向かってあなたに教えるためにね。
pm:とうとうグルーム一族の伝統に従ってお父さんは死んじゃったけど。
カチャッ
p149
pm:それ置いてくわ、じゃあね。
pm:家で紅茶があなたを待ってるからね…
pm:頭を立てて回転させるのを忘れないで…
pm:読むには電灯が必要でしょ。
パーシーの父(pf):やあ坊や、誕生日おめでとう。ここまで来れたなら君は私が思った以上に勇敢であると言えよう。
pf:「もうたぶん知ってると思うが、君はママから永遠に生きるという重荷を受け継ぎ、私からはこの長たらしい世界を脱出する手段を得た」
pf:「グルーム一族の伝統的な突然死の正しいやり方を封入してある。自分の顔面を素早く数回殴れば、このメチャクチャな世界とおさらばできる。君の任務は完了というわけだ」
p150
pf:「お前ももう分かっているだろう。この世は無意味な世界だ。にもかかわらず私は生き延び、お前に教えようとしたんだが…だがこんな矛盾は大嫌いだ」
pf:「我が子よ、分かって欲しいが、私は自分の遺伝形質を超越しようとベストを尽くしたんだ」
pf:「お前がどんな人間であれ、私はお前を愛したであろう」
p151
p:パパ、今の時期は水も温かく…
p:月の出ていない時はよく、僕は頭を回転させて道を照らすんだ。
p:そうするとね、蛾の大群が僕の周りに集まってくるの。
p:初めはうっとおしいなと思ってたけど、ある時羽をパタパタさせる独特の音を聞いてね。
p:蛾の小さなシンフォニーが好きになったんだ。
p:おかしな事だね…
p:リラはこの世から逃げたくてたまらなかったし…
p:…タミーは生きたくてたまらない。
p:僕たちには趣味が必要なんだと思うよ、自分を忙しくするために…
p152
p:しかし自分の影から逃がれようとして
p:多くの人を踏み付けにするなんて…
p:残念な事だよね…
p:「ぐるっと一回転」
p:パパがもう少し長生きしたら…
p:…この無意味な世界が…
p:とっても楽しい所だって…気付いたと思うよ。
p153
p:ママ。
pm:パーシー!
p154
pm:手紙は読んだかい?
p:うん。
pm:それでも戻って来た!
p:もちろんだよママ。
p:僕はたったった一人のグルーム・ハーフなんだから。
pm:誕生日おめでとう、坊や!プレゼントを開けて!
p:これは何、ママ?
pm:あなたのお父さんに私が作った特別性の望遠鏡だよ。
pm:中を覗けば…どんな距離でも…あなたの双子の兄弟が見えるんだよ!孤独を癒すのにピッタリ。
p165
pm:もちろん、お父さんは一度も使わなかったわ。そう、「馬を水場に連れていくことはできても、水を飲ませることはできない」って言うでしょ。
pm:さぁこっちも開けて!
p:ブラシとちり取りだ!?
pm:そうだよ…持って歩くのにとっても便利なんだから!
pm:あなたならすぐ使い道が分かると思うわ。
p:ママ?
p:お父さんが言った事…僕とママは永遠に生きるって本当なの?
p156
pm:坊や、女性と年齢の話をしちゃダメよ!
pm:バイバイ。
p:安全ナウに戻るのが楽しみだな。
p:言葉遣いをちょっと変えたらどうだろう…
p:「警告」から「友好的アドバイス」に…
p:…そうすればお客さんはもう一度警告文を読むようになると思うな。
p157
p:タミーに話さないと。彼女を説得するんだ。
p:グゥー。
p:マフィンのお時間だ。
p:有難うママ。
p:ケホッうっママ!マフィン焼き過ぎだよ!コホッ。
p:これは何だろう?プレゼントかな?
インスタントママ 幸せいっぱいケーキミックス 「水を加えるだけで」 「みんな満足」
p159
p:?
p:こんにちは…町まで送りましょうか?
老人(老):いやいや結構ですよ、お若いの。
老:行く場所は分かってますから。
p:それではさようなら…
老:さようなら。
p159
老:ところで、あの子供達は、見つけましたぞ…
老:…魔法石を…
老:わしがそこだって指し示したんじゃ!
老:今日は学校がお休み!もう永遠にな!ハハハハ。
p:?!
p:うわ。
p:うわ…
p160
p:うわっ。
p:ああ、じゃ、片付けなくちゃ…
p:…子供達が遊び終わった後にはね。
p161
p:バーナード!
b:パーシー!
b:あの子供達はとってもびっくりしてたよ。
b:彼らのちっちゃな遊びが全てを変えてしまったんだ。
b:巨人が倒れるのを見た事あるかい?あんな感じ…とてもゆっくりと…
b:…そして静かに。
b:we all had time to find our way. (僕達が苦労してここまで来たのに。[?])
p162
p:死にゆく人々は何処に?
b:こっちだ。
b:まず最初に市場が崩壊したんだ、整然と、そして穏やかに。
b:その後すぐタミーが地下堂から出て来た。
b:彼女は仲間内を混乱させちゃったんだ…
b:生きてる人々と死に行く人々を再び会わせたからね。
p163
p:タミーは何処なの、バーナード?
t:うん。
t:そうする…
p:?
b:彼女の両親は凄く小さくなってしまってもうすぐいなくなるんだ…
b:…それでタミーは両親を耳に入れてるんだ…
b:両親は彼女が忘れていた事を思い出させてるんだよ。
t:うん…うん、そうする…
p164
b:両親がいってしまったんだ。
b:でも僕はタミーが戻って来たと信じてるよ。
b:パーシー感謝するよ…
p:どういたしまして。
p165
mar:シクシク
mar:シクシク
p166
mar:シクシク
mar:グルームさん、私は失敗した。
mar:世界が崩壊する時に爪切りの危険を訴えてたなんて。
mar:私の人生は無駄だった…
mar:…全ては無に帰したのよ。
mar:貴方の笑顔がイラつくわ、グルームさん。
p:どうぞ、これを見て下さい。僕の誕生日にママがくれた物なんだ。
p167
mar:使用済みでは?感染の恐れがあるでしょ。
p:未使用だよ。
mar:角膜にダメージを与えない?
p:安全だよ。
mar:あらぁ…私は双子だったんだ!
mar:彼女…うわ凄い…ポルカを踊ってる!
p168
mar:あら、いけない…
mar:彼女転んだわ…
mar:あ、待って、お、あっ…
mar:あ、立ち上がった!彼女…が…また踊り出したわ!
mar:私…なんて言っていいのか…
p:うん…
p:警告業界では…僕達、幸せに慣れていないからね。
お終い。

【概要】
『Percy Gloom』 Cathy Malkasian (07 fantagraphics books 19ドル)
パーシーちゃん萌え〜
LA在住のアニメーター、キャシー・マルカジアンの漫画。主人公は永遠に生きる母と、若いうちに必ず自殺する家系グルーム一族の父から生まれたパーシー・グルーム(表紙参照。マフィン大好き、二頭身、斜視、頭を回すと電灯のように顔が光る)。ストーリーは、長年憧れていた(隣町の)警告文(おもちゃの箱に書いてあるようなもの)作成会社から就職面接の手紙がパーシーに届いたところから始まる。隣町に着いたのはいいが面接を受けるまで一騒動、面接ではケチョンケチョンに貶され意気消沈してホテルに戻る一日目、しかしなぜか採用通知が届き、その会社で働く(しかしガムを喉に詰まらせ病院へ直行する)二日目、そして最後にその会社の有る町が崩壊してしまう三日目を三章に分けて描いた大人の童話(?)或いはファンシー・ファンタジー?
新興宗教の漏斗頭団(メンバーは漏斗の帽子をかぶる)に入信し死んでいったパーシーの妻リラ、超デブおかっぱ頭にリボンの女性面接官、いも皮剥き器で手を怪我し片腕がフックになってる仕事の同僚レオ(百科事典の危険性を調査中)、死にかけの人をおかゆにして食べることで死を避けようとするヤガパンザ運動指導者タミー、などなど登場人物が全員キャラ立ちしててグー。薄茶色の色鉛筆で描いたような画風も味わい深くノスタルジックで良い。
著者のサイトは無いがパーシー・グルームのサイト
それでは全訳をどうぞ!画像はファンタグラフィクスのサイトから
p1下図参照
第一章 誕生 (一日目)

p2下図参照
私と結婚して、パーシー・グルーム!私の私だけの可愛くて大人しいちっちゃな赤ちゃんが欲しいの。どうかお願い、お願いだから今すぐ、私と結婚してよパーシー・グルーム、今すぐに!(裏へ続く)
結婚して、私と!!結婚結婚結婚結婚結婚…

p3下図参照
安全ナウ 警告文研究所
親愛なるグルーム様
20年に渡り、貴兄から熱意ある問い合わせの手紙を受け、また御母堂からの多大な推薦もあり、我々は真摯に就職を希望されている貴兄との面接を決定いたしました。日時と弊社へのおおまかな道順を同封してあります。決して遅れぬように、我々はあらゆる怠慢を嫌悪しております。敬具 安全ナウ
パーシー・グルーム(p):シクシク
パーシーの母(pm):パーシー?
pm:パー…シー?
p:はい!

p4下図参照
pm:そこにいるのかい坊や?
p:うん、ママ!
pm:初日の遠出はどうだったの、教えてちょうだい!
p:わかった、そう…
p:ドライブは気持良かったんだ。車酔いは道中二回だけ、丘が続いてて道路はくねくね…
p:ママの新しいペダルカーはパーフェクトに動くし。
p:パッと折り畳めるから階段も難なく持って上がれた。
p:今までで最高の発明品だよ。

p5下図参照
pm:それで面接はどうだったの?書類は提出したのかい?
pm:パーシー?
p:…グー
p:ママ。面接に行く前にまず何か食べ物が必要だったんだ。
p:すいませんがこの町で食べ物はどこで売ってますか?
老人(老):この上です!上に行ってあがってまたあがって上に上に上に上に…
p:有難うございます。
(老):どういたしまして。

p6下図参照
子供(ch):そこだ!
p:?
chこれだよ!
chおじさん、この石を動かすの手伝ってくれる?
ch魔法石なんだ。
chこれを動かせればこの町は崩れ落ちるんだ!
chそうすれば僕達はもう学校に行かなくていいの!
chもう二度とね!ハハハハ。

p7
chハハハハヒーヒーハハハハヒーヒー
chハ…
chお?
chおじさん?おじさん!
ch大丈夫?
p:僕の名前はパーシー・グルーム。仕事の面接があって…遅れるわけにいかないんだ!…でもその前にそば粉マフィン三つとレモン30個で作るジュースを飲まなきゃ。
p:面接に備えて力を蓄えなくちゃ!
p8
chあそこがマフィンとジュースのお店だよ、グルームさん!
p:親切に有難う。
タミー(t):前はあったでしょ!
店員(店):いいや。
t:憶えてんだから、嘘つかないでよ!
p9
店:タミー、違うよ。栗のパンケーキを置いてたことは無いよ。
t:あんた嘘ついてる!
店:タミー頼むよ、今まで何度も言ってきたでしょう…。
t:あたいは嘘つかれんのが嫌いなの!
p:グー
t:このこと忘れないからね!
t:この店潰してやる、あんた聞いてんの?
p:うわ〜ひどい。かわいそうな女性だ!足が重い感染症に罹ってる!
t:あんた誰?
p10
t:何見てんのよ?
p:あなたの足の大きな親指を…
p:感染してるようですね。
t:そうよ、分かってんの。精神力で治してるんだから。
p:…でも薬がありますよ…お嬢さん。
t:薬は毒なの、おじさん。
p:でも…薬がありますよ…
t:言ったわよね…
t:薬
t:は
t:毒だって。
p11
t:心には凄いパワーがあるの。
p:ああ。
ズキズキズキ
p:でも薬がありますよ…
ビシューッ
p12
t:よう、チビのガイジン野郎、古代ヤガパンザの知恵を知ってっか?もちろんあんたは知らないでしょうけど、あたいは知ってんの。あんたは黙ってなさいよ。
t:あんたのションベンアドバイスなんかいらないわよ!
p:うわ…
p:うわー
p:うわ〜…
p13
p:うわぁ…
p:う…
p:…わぁ…
p:うぅ…
p:…ああ助かった!
チャプチャプチャプ
ヤギ使い(使):もしもし
使:すいませんが
p14
使:その水飲み場はヤギ専用なんです。
p:あぁどうか…どうかお願いします!私の口に感染症の足がガッツリ入っちゃったもので!
使:どうか、すいませんが。
使:譲っていただけますか。
p:道に迷ったし、お腹も空いたな…
p:面接も逃しちゃった。運の神様さようなら。
p15
p:あーあ…あっ!
p:安全ナウ研究所だ!長年の夢が目の前にある!
親愛なるグルーム様
安全ナウ雇用委員会は貴兄との面接に際して以下の規則に従うよう強くお願いいたします。
1.ネクタイはしっかりとズボンの中に入れて下さい。シュレッダーの誤作動に巻き込まれて死ぬ危険性が無いとは限りませんから。
2.コロンやアロマオイルはつけないで下さい(くしゃみの危険があります)。
3.よろしければ貴兄が書かれた警告文書を5例お持ち下さい。
4.グルーム様、何はともあれテキパキと。この事を十分強調しておきます。
p:ああ、素晴らしき我が運命!
p16
安全ナウ警告文書研究所
p:ああ、やったやった!信じられない!ついにここまで来たんだ。
p:生まれてからずっと安全ナウを愛してきたんだ。
p:さぁ今度は僕を愛して。
p:さぁ着いたぞ!
p17
雇用局
p:うれしいな!
p:素晴らしい運命。
雇用局
マーガレット(mar):ノックしないで下さい、グルームさん。
mar:拳を痛めますよ。
p18
mar:急いで。
mar:もっと急いで。
mar:さぁ座って。
mar:あなたのファイルを読みました。
mar:?
mar:それは何かの予防ですか?
p:あぁいえいえ違います。何しろちょっと前に
p:…感染症の大きな足が…
p:…僕の口に無理やり突っ込まれて…
p19
mar:グルームさん、そんな危険な出来事を予想出来なかったのですか?
p:えぇ、あの、僕…、僕は…
p:僕…僕は…
パーシーちゃん、大人になったら何になりたいんだい?
p:警告文書家になりたいでちゅ!
ma:r:時間を無駄にしないで下さい、グルームさん。想定外の怪我や死を引き起こしかねない日常品を15個上げて下さい。
mar:メモ、汗をかいていると。
p:えーっと、えーっと、えーっと…
p20
p:…つ…つ…爪切り…
mar:…じゃ次…
mar:警告文のジャンルトップ5を下から順に言って下さい。
p:うぅ、あぁ、えっと第三位「これはおもちゃではありません」うー、第、う〜…
p:だ、第、だだ、第うぅぅ…う…
mar:グルームさん、千人もの人がこの仕事に応募してきているの、お分かり?他の人には無い、あなただけがお持ちのものは何ですか?
p:僕の…僕のお母さん!
p21
p:あのー僕のお母さんは発明家なんです…
p:僕は何年も母の研究室で…
p:アシスタントしてました。
p:母は時々ぼにゃりしてることがあって…
p:…でも僕は全ての災難を予見できたんです。
mar:グルームさん、
mar:誰かがどこかであなたの昔話に興味を示すかもしれませんが…
mar:しかしここ安全ナウにはもっとやるべき重要な事があります。毎日毎回我々は人命を…数え切れないほどの人命を救っているのです!我々の警告文があっても、あらゆる物に危険は潜んでいるのです、グルームさん。有害なインク入れから命を落としかねないプレッツェルまでね。我々は商品をテストし、一見無害に見える物の中に隠されている致死性を探り出そうとしているのです。自ら傷を負いながら警告文を書いているのです。一時間前になりますが、この一見無害な小さいハガキで両膝の裏を切り、痛みに耐えた立派な女性を昇進させました。
p22
mar:あなたは紙で自傷で出来ますか、グルームさん。
mar:子供が消火器を飲み込んだら、安全を守る製品なのに死の危険性があるとしたら、あなたならどうしますか?千人もの人がこの仕事に就きたがっているのです。熱意を持って自らの意思で犠牲になりたいという千人もの応募者が、あなたの後ろに控えているのです。他の人から奪ってでもこの仕事に就きたいのは何故ですか?何故ですか!
p:僕は…僕は…
p:ぼくはただ他の人に…怪我をしてほしくないだけなんです。
p23
mar:出て行って、グルームさん。
mar:しくしく
mar:出て出て出て出てグルームさん
mar:行ってグルームさん
mar:行って行って行って行っ〜〜て〜〜
mar:出て!行って!出てけ〜
mar:行って!行って!出てけ〜
mar:出て、グルームさん、出てけ〜
雇用局
何になりたいんだいパーシーちゃん?
p:たぶん何にも。
p24
パーシー終わり、パーシーの人生終わり、パーシーの夢終わり
p:ひどい幻覚だ、本物じゃない、お腹が減ってるせいだな。
p:グゥ〜
p:グゥ〜グゥ〜グゥ〜グゥ〜
バーナード(b):もしもし、ナップサックから紙が落ちましたよ。
b:そちらに戻しましょうか?
p:あぁ有難う。
b:雇用局の階段の危険性をテストする人なんか初めて見ましたよ。どちらの部署で働いてるのですか?
p:僕はここでは働いてないんです。
b:おや、残念ですね。あなたの警告文をチラッと拝見しましたが、非常によく書けてますよ。
b:マーガレットと面接したんですか?
p:はいそうです。彼女は僕に出て行けと。
b:彼女を泣かせちゃいましたね。彼女は時々ああなるんです。
p:泣かせようなんて思ってなかんだけど。
p:グゥ〜
p26
b:あなたはお腹がグゥグゥ鳴ってますね。食事に招待させて下さい。
p:有難う。
b:僕の名前はバーナード。
p:僕はパーシー・グルーム。
p:グゥ〜
b:パーシー、ホットドッグは好きかい?
p:うん、
p:犬って知的な生き物だよね、舌をパタパタ出して体熱を下げてるんだから。
b:?
p:僕や君と違って口に足を突っ込まれても平気だし感染することもないし。
ホットドッグ、ホットッグの丘
b:ここを登るよ、あそこに町一番の食べ物があるんだ。
p27
p:今日午前中にね、知らない女性が自分の感染症の足指を僕の口に突っ込んでさ。
b:女性の名前はタミー?
p:そう。
b:こんにちわギルバート。こちらはパーシー。
ギルバート(g):ようこそパーシー。
b:スペシャルドッグ二つ下さい。
p:?
p:そば粉マフィン二つと30個レモンのジュースを下さい。
p28
b:大丈夫だよ、パーシー。本物のドッグ(犬)を頼んだり絶対しないから。
p:ああ、うん、でも…
p:グゥ〜
p:僕が消化出来るのはそば粉マフィンとレモンジュースだけみたいなんだ。
p:他の物を食べると悪い夢を見ちゃうから。
b:じゃ、その二つが無い時はどうするんだい?
p:寝ないようにしてるんだ。
b:パーシー…大丈夫かい?
p:すごくお腹が減ってるんだ、バーナード。
b:ここじゃなくてマフィンストアに行こうか?
p29
p:いやいやけっこう…タミーがいるだろうから!
b:分かったよパーシー、分かったよ。
g:ドッグ二つ。
p:ドッグは…OK…タ…タミーは…NO…やだやだやだやだやだ…
b:ちょっと食べてみてパーシー。
p:うん、うん、もちろん…
p:全部大丈夫…
b:パーシー?
p:高山病だ。
b:パーシー!
p:うわ〜〜〜〜〜〜
p30
p:…全部大丈夫、全然問題無いん、全然。
b:パーシーおいで。
b:もっといい場所があるから。
b:歩きながらタミーについて話すよ。
p:うん分かった。
b:彼女の両親は地元のチーズ屋さんで、とても優しくて気前がいい人なんだ。二人が作るヤギチーズは昔有名だったんだけど。
b:父親も母親も晩年に病気になってしまったからタミーは仕事を引き継ぐ約束をしたんだ。
p31
b:でも彼女はそんな気はさらさら無いどころか、町の人々をいじめるようになったんだ。
b:両親の乳ヤギもだよ。
p:かわいそうに…
p:僕はそのヤギさんに出会ったと思うよ。
b:そうだね。たぶん君が今までに見た中で一番哀れな生き物だよ。
b:ヤギ達は無力さを感じて、たぶん、希望を失ってるんだ。
b:タミーの両親は乳ヤギを溺愛してたのにタミーは乳ヤギを捨てたんだ。彼女は自分の目に不完全に映るものとだけ関係を持つからね。
創設者公園
p32
p:彼女はたぶん、完全性は全ての終焉につながると思って怖がってるんだよ、バーナード。
p:完全なものなんか無いと言い張れば、なんとか自分自身の終焉を遅らせられるからね。
b:!
b:あともう少しだよ、パーシー。
p:オーケー。
p:グゥ〜
b:この噴水から水を飲めばすぐ気分がよくなるよ。
p33
b:これはこの町の創設者セーフリー・マートル夫人だ。
b:彼女は何千人も救ったけれど自分の鼻の病は放っといたんだ。
p:この水は効くね、バーナード。悩みの種が飛んでいっちゃったよ。
b:パーシー…
b;君の苗字は本当にグルーム(憂鬱)なの?
p:うん。
p:父方がグルーム一族で僕はハーフなんだ。純血グルーム族は交配期が過ぎるとほとんど死んでしまうんだ。
p:自己存在に意味を見出せなくてね。
p34
p:グルーム一族にとって人間の活動は災難の連続なんだ。
p:全ての出来事には崩壊の可能性があって、グルーム一族はそれに過敏に反応するから心が落ち着かないんだ。
p:グルーム一族は生まれた瞬間から当惑しっぱなしなんだ。
b:そうなんだ…君の父親は…もうこの世にはいない?
p:そう、その通り。
p:父は母と結婚した時、母なら父を救えると…母はほら、発明家だから…そして何とかして自分の遺伝形質を超えられればと願っていたんだ。
p:でも、生まれた僕を一目見てすぐ自殺しちゃった。
b:変わった亡くなり方だね。
p:グルーム一族では伝統的だよ。
b:パーシー、君も同じ事をするつもりなのかい?
p35
p:まさか、バーナード。僕はグルーム一族のたった一人のハーフなんだから。
p:生きるためにここにいるんだ。
b:安全ナウが君を雇ってくれるといいね、パーシー。
p:有難う、バーナード。
b:帰り道は分かるかい、パーシー?
p:ううん、全然だよ、バーナード。
b:そこを降りて、降りて、降りて、また降りるだけだよ。
p:有難うバイバイ。
b:バイバイ。
p36
観光ハウス
p:?
パーシーへ
p:ママかな?
守衛(守):私はきちんと仕事をしましたよ、グルームさん。決して彼女を中に入れませんでしたから。
守:…どんなに彼女が私を脅そうとも…
守:あのひどい足で…
p37
手紙(le):こんにちわパーシー・グルーム!マフィンは好き?好きだよね、だってあたいがあんたのために買ったんだから!
le:私の名前はタミー、タミー・ヤガパンザ。今朝会ったわよね。私の足があなたの口に入っちゃったけど、あれは偶然だったのよ!(^∀^)
le:足って最悪じゃない?ハハハ。私の足には意思があるんだわ、絶対!ハハ(^∀^)
le:でも、正直言うと、時々"かんしゃく”を起こしちゃうのよ。(`Д´)
le:だから私は地下堂に住んで古代の偉大なヤガパンザの修行をしてるの。
le:ヤガパンザは私達全てを死から救ってくれる。警告文書なんかよりはるかにマシ。崇高な存在よ。
le:偉大なるヤガパンザの全てを教えるわ、だって本当にあんたのおかげだもの。本当に本当にマジで本当に本当に本当に本当よ。
p38
le:だってあんたの口の中でツバが私の病んだ足指を治してくれたんだから、本当よ!
le:あんたとは特別なつながりを感じるの、あんたもそう感じてるはずよ…
le:あたいと結婚してパーシー・グルーム!結婚して!
le:ピカピカのちっちゃい赤ちゃんをあたいに授けて…
le:あたいの赤ちゃん…全て私の物!
le:結婚してパーシー・グルーム!
m:パーシー!
p39
pm:息子よ、大丈夫かい?
p:ううん、たぶんダメ。
p:仕事の面接には落ちたし、ヤギ嫌いのイジメッ娘には結婚を迫られるし。
p:なぜここにいるのか僕には分からないよ。
pm:私のパーシー坊や、頭を真っ直ぐにして回転させるのを憶えてるかい?
p:ううん、ママ。また忘れてた。
pm:さぁ、ぐるっと一回転させなさい。
p40
p:全部はっきり見えるよママ!
pm:そうよパーシー。全ての部品には嵌るべき場所や回路があるものよ。素晴らしくない!?
pm:お休みなさい坊や…
pm:いい夢を見るんですよ…
pm:…明日はきっと良い事がありますよ…
p41
第二章 目覚め (二日目)
p42
リラ(li):パーシー…
li:…ここは…私の本当の家じゃないわ…
p:リラ…行かないで!リラ!
li:…幸せになってね…パーシー…
p43
幸せになって幸せになって幸せになって幸せになって…
いやだいやだいやだ、いらないいらないいらないいらない…
p44
p:いらない…
p:いやだ…
p:ああもうやだ。
p:あぁ
シューッ
p:?
p45
安全ナウ警告文書研究所
親愛なるグルーム様
私の賢明な裁定にもかかわらず貴兄は採用されました。(次項へ)
le:すぐ来て下さい…
le:Aビルに着いたら3番ドアに進み、そこからD階まで来て下さい。BB塔にあなたの席を用意してあります。
p:ああ運命だ!
p:僕の人生がまた始まるぞ!
p46
フシューンッ
ch:うわうわ!グルームさん、グルームさん…ごめんなさいごめんなさい!
ch:僕達魔法石を探していて…
ch:それでこの石を取り出したんだけど何も崩れ落ちたりしなかったんだ…
ch:グルームさん、僕達はマフィンストアに行ってね…
ch:…でも誰もいなかったよ、タミーがマフィンを全部持って行っちゃったんだ。
ch:お腹減ってる、グルームさん?
p:うん…そうみたい…
p:グゥ〜
ch:ガムがあるよ。
p47
ch:さぁ、これを噛めばお腹が減らなくなるよ…
ch:でも飲み込まないで下さい…
p:なんで?
ch:だってガムだもの。
p:これ怪我するかな?安全ナウで僕の仕事が出来なくなる?
ch:うん、うん、そうそう、怪我すると思うよ、うん…
ch:そう、もし飲み込んだりすれば何か悪い事が起きるよ、うん。
p48
ch:そう、町全体が崩れちゃうんだ!
ch:へへ
ch:へー
ch:それで僕達は学校に行かなくてよくなる。
ch:ハハ
p:このガムは包み紙が可愛いね…
li:幸せになってね…
p49
私はあなたの斜視が嫌い。
t:私達が結婚する前にそれ治した方がいいわよ。
p:あ、こんにちはタ、タミー。ここはマフィンストアかい?
t:違う。あんた弱虫なんだから。ここはあたいの聖なる地下堂。
t:あんたをここまでひきずって来たんだからね。
t:マフィン一個であんたを打ったの…たった一個のマフィンよ。あんた弱すぎ。
t:それも治さなきゃね。
p50
t:私は古代ヤガパンザの事で忙しいんだけど、一回だけ食事させてあげる。
p:あ、有難うタミー…
p:…でも僕行かなくちゃ。安全ナウに雇われたから…
t:黙って食べられないの??
p:はーい。
t:それ知ってる!!
p51
p:何を知ってるってタミー?
t:あんたがいいテーブルマナーを心得てるって事。
p:でもタミー、ここにテーブルは無いよ。
p52
t:結婚する前にその眼を治しな!
p:うわ〜
p:分かったよ。
p:うわ!ヤギさんごめんなさい。
パシャーン
ヤギ(go):彼女またやったな。
go:かわいそう、哀れなタミー…
go:抑えられない衝動…そして「終焉」の恐怖。
go:あぁかわいそうに。
p53
go:あなたにはおかしな事じゃないですかグルームさん?
p:何がおかしいのヤギさん?
go:メェー
go:メェー
go:メェー
go:人間は自分達が作り出した不幸を嘆いてるんだから。
p:僕達にもそういう傾向はあると思うよ。
go:グルームさん、僕達は夏至冬至の日にオペラでヒットしたベルカント曲ばかりのコンサートをするんだけど。
go:よかったら来ませんか?
go:タミーの両親が歌い方を教えてくれてね。呼吸をコントロールするんだ。乳絞りの時間が楽しいものになったよ。
go:素晴らしい人間だね…
go:安全ナウはあの角の近くだよ。
go:間も無く着くからね。
p:ああ、なんて落ち着くんだろう。
p54
go:どうかグルームさん、タミーには何も終わってないんだって教えてもらえますか…
go:まだ始まってもないんだって。
go:メェー
go:メェー
go:ああそうそう…水飲み場でのゴタゴタは失礼しました。
p:こんなに腹減りでなければいいのに、これが僕の運命か…
p:グゥー
p:グゥー
p:グゥー
p:やった!!子供達のガムがまだ袖に入ってた。もう食べるしかないよね。
p:飲み込まないで噛むだけ…
p:ヤギさん有難う!
p:飲み込まないで噛むだけ…
p55
初心者は注意して進め
p:Aビルの3番ドア、ドアを飲み込んじゃダメ…
p:おっ。
p:ここを通って
p:…D階へ…
A塔
p:A
p:A-1-A
AA塔「焼けどとすり傷」
p:AA
「鼻に異物」
p:まいったね。
p:?
「有痛弾性物」
p:!
p:AAA
p:ここは何処だここは何処だ…
p56
大BB塔
レオの部署
「いつでも働いてます」
p:やぁ!着いたぞ。
p:こんにちは?レオさん?
p:おー…わお!
p:安全ナウに僕の机がある!
p:机さんこんにちは。
この机からブレンダBは永遠に退いた。
「親指を失ったが多くの賞賛が得られた」
p:これが最初のテストアイテムだな。
p57
p:ヘアーブラシ。
p:イタッ。
p:「噛むと危険。歯を傷める可能性有り」
p:ああ僕はなんてこの仕事に向いてるんだ。
レオ(Leo):ようこそ兵士君。
p:あぁ…こんにちはレオさん。
Leo:君は既に頑張ってるようだな…
p:はい。
Leo:自分の勇気を試す準備は出来ているかな?
p:なんですか?
p58
Leo:お前が食べているのはガムだな?
p:はい、はいそうです…
Leo:素晴らしい。ガムは危険で有名だ。
Leo:立て、グルーム。
Leo:君の顔をもっとよく見たいな…
Leo:…さぁ、これで我々は同じ塹壕にいるわけだ。
p59
Leo:お前は耳が大きいな、グルーム。
Leo:ここらへんの者では無いだろう?
p:?
p:違うよ。
Leo:外国からか?お前は幸運だ…
p:?
Leo:その伸び縮みウエストゴム…非常によく考えたな…
Leo:しかしゴムだって危険だ、知ってるだろう。
Leo:物に引っかかるからな。
Leo:へへへへへ
Leo:ほほう…お前の初めてのテストアイテムが…
Leo:…「女の子」用ヘアーブラシ…
p:???
p60
Leo:オレについて来い、グルーム。
Leo:オレがテストしてる物を見せてやる。
Leo:あそこだ。
Leo:美しいだろ?見ていて楽しくなるな。
Leo:まるで生きてるみたいだ、だろ!?
Leo:百科事典のフルセットだ…
Leo:世界の全知識が…
Leo:一つの落下危険物に還元されている。
p61
Leo:お前はこのエレガンスさを賞賛しなくてはならないぞ…
p:有難う、レオさん。
p:でも自分のヘアブラシに戻るとするよ。
Leo:グルーム!
Leo:どっちの眼が本物だと思う?
p:う〜ん、分からないよ、レオさん…
Leo:どうしてオレの手がフックになったか分かるか?電動いも皮剥き器のせいだ。オレの働きがあったから世界はより安全になったんだ。
p62
Leo:グルーム…グルーム!
Leo:お前の椅子をオレに投げろ!さあ、オレにガツンと投げつけろ!!
Leo:全力でぶつけるんだ!
Leo:オレに投げろ!オレにぶつけろ!オレに
p:いや、あぁ、いや、レオさんお分かりでしょう…
p:安全ナウの規則によれば怪我していいのは自分だけなんですよ。
Leo:おい…オレ達は「ホワイトカラー」系なのか?
Leo:勲章を胸にいっぱい付けてよ、座ったままで何もしねぇで、ただ規則を読んでるような試験官にはオレはならなかったよ。
p63
Leo:お前が優しいのは分かるが…
Leo:自分の手を汚すのを恐れてる…
Leo:高潔な下働き野郎だよ。
裂傷一位、脳震盪一位、失血一位、皮膚移植一位、安全ナウ賞-最高証明書-警告サービス業において自己損傷による功績を称えます。
p64
p:レオさん?
p:レオさん?マーガレット女史とはお友達ですか?
Leo:なんで?何を聞いた?
p:いえいえ何も。僕は僕は僕は…
Leo:リラックスしなグルーム、怖くて固まってんだろ。
Leo:こっちに上がって来いよ。「上に立つ者は孤独」だがな、ハッ…
p:いや、それは出来ないよ。
Leo:頼むぜ…百科事典を落とすレバーを押し下げてくれよ。
Leo:すげー助かるんだけどな。
p65
p:あの、あー、ヘアブラシを使ってテストを30回しなくちゃならないから…
Leo:じゃあヤレよ!!!
p:???
p:おう。
p:「取っ手を耳に入れるのは危険:失聴の恐れ有り」
Leo:そうだ、グルーム…電灯のスイッチを押してもらえるかな?君の後ろにある…
p:あ、うん、もちろんだよ、レオさん、よろこんで。
p:丁寧に聞いてくれてうれしいな。
p66
トゥイーーンズズズーン
ムーンムーンムーンキャシャーン
Leo:バ〜カ!ハハハ。ありがとよグルーム!
p:うわっ!
p67
みしっみしっバリバリバリッ
p:うわ、まずい!レオさん、まずいよ!!!
p:助けなきゃ。
p:うわ…
p:うわ〜!
p:レオさん、あぁ、レオさん!
Leo:聞いて…くれ…グルーム…
p68
Leo:本は人を殺せるぜ!ハハヘハハ。
Leo:でもまだオレは死んじゃいねぇ、近づくな!賞金はオレのもんだ。
Leo:もう少し…
Leo:愛しいマーガレットちゃん…
Leo:来てちょ〜だいっ!
Leo:机に戻ってろ、グルーム!
Leo:命令だ!
p69
Leo:痛ぇ…
Leo:うぉ〜すげー痛ぇ。
mar:レオさん
mar:来ましたよ。
Leo:あぁ、こんにちはマーガレット…
mar:百科事典セットのテストが終わったのね?
Leo:そうだ、マーガレット…
Leo:もちろん仕事はほとんど一人でやったよ。さぁいつものように…
p:?
p70
mar:それではお望みの報酬をどうぞ。
Leo:有難うマギー…いや…マーガレット。
mar:出てきた?
mar:そうね、レオさん、はっきり出たわ。
Leo:成果を宣言しに行ってよろしい。
Leo:腰抜けども、これを見やがれ!
leo:見て悔しがれ、オレの勝ちだ!ワハハッ!
p71
mar:ところでグルームさん、現代のヘアーブラシはどのくらい危険かしら?
p:ええっとマーガレットさん、ヘアーブラシは…
p:!!!!!!あれっ…
mar:どうしましたグルームさん?
p:ガム…
p:ガム
p:ガム飲んじゃった!
p:かなり危険なんです!良くない事が起こりそう…
mar:じゃあ行きましょうか、グルームさん。
mar:そのうち元気になりますよ。
p72
mar:あなたが休んでも困った事態にはなりません。
mar:我々は二重三重のクロスチェックをして最も厳格な基準を維持していますから…
mar:しかしそれでもお客さんは我々の警告文を読もうとしないんだから。
mar:権威を嫌ってるのかしら?不名誉な夭折を味わいたいのかしら?それとも何らかの親切で偉大な力が人生の道を作ってくれるとでも思ってるのかしら?人生というこの芝居の中で自分の役割を放棄できるとでも?
mar:我々には優れた精神があります、グルームさん…
出口:ゆっくり開けろ
注意:ドアは内側に開く
mar:…馬鹿者に仕える優れた精神が。
病棟→
p73
mar:あなたの純真さに感心するわ。
mar:シクシク
mar:回復のために明日休んでも結構ですよ。
mar:さぁ行って、グルームさん
mar:行って。
mar:行って。
p74
p:あ!
p:リラ…リラ!僕、ガム飲んじゃったんだ!
p:リラ…僕達すぐ一緒になれるよ。
p:リラ?
p75
看護士(士):患者接近!
p:う〜ふっ
士:ベッドの用意!
p:リラ、何処にいるんだい?
p:なんでリラ、…何故なの?
b:パーシー!?
p76
p:バーナード…リラがいなくなって…
b:誰?
p:死んじゃった死んじゃった死んじゃった。
b:パーシー…落ち着いて
p:奴らが彼女を連れて行ったんだ!奴らが!あいつらが!ああリラ…リラ!
やだやだやだ
p:やだ…
p77
b:「漏斗頭」?
p:そう。
p:あいつらは小さな団体で…
p:漏斗の帽子をかぶってるのが特徴なんだ。
p:リラは僕と結婚するずっと前から入信していて。
p:趣味クラブだろうと思ってたんだけど…
p:会合の後、リラはいつも楽しそうだったし…
p:…恍惚としてたよ…
p78
ジニア(Zinia):漬物のネギ、漬物ネギあるよ!!
b:ジーニャ、一本下さい。
b:続けてパーシー。
p:リラはびっくりするくらい美しかった。
p:僕にダンスを教えてくれて。
p:一度リラの友達連中に会いに行った事があるんだ。彼らはとても自信に満ちていて幸せそう… …特にフィンガーはそう…
p:フィンガーはいつも幸せそうだった。
p79
p:人々に真実を指し示すところから彼はフィンガー(指)って言われるようになってね。
p:リラは僕が思ってた以上にフィンガーを崇拝してた。
li:あのねパーシー…
li:私、フィンガーの子を身ごもってるの!パーシー…あなたは素晴らしい人なのに私が全てを台無しにしてしまったのね!
p:子供は子供だよ、リラ。僕は自分の子供のように愛するから。
li:シクシク
p:僕は人生を一緒にすごそうと夢見ていたんだ…
p:…でもリラはもう遠くに行ってしまってた…
p80
p:そして彼女の漏斗が届いた…
li:美しくない!?これを通してより高度な知恵が入ってくるってフィンガーが言うのよ!
p:?
p:フィンガーはリラに漏斗頭サークルの入会儀式を施して…
p:?
p:…で彼女は新しいドレスをもらい、秘密の挨拶を習った…
li:パーシー!疑う事はひどい病気なんだって、フィンガーが言ってたわ。
p:でも…
li:パーシー、私はもう自分を浄化させないといけないの。
p81
p:「浄化」とはつまり、断食、祈祷、そしてベッドを別にする事だったんだ…
li:セプドルラエ タレビル セプドルラエ タレビル セプドルラエ タレビル セプドルラエ タレビル
p:僕は彼女の熱心さを喜ばしい事だと勘違いしたんだね。
p:その後間も無くリラは仲間達と遠出する事になって、僕は待ち合わせ場所まで送って行ったんだ…
li:まっすぐになってる?
p:うん。
p82
p:…そしてサヨナラを言った。
p:もう彼女には会えないだろうって気がしたんだ。
p:…なぜか分からないけど。
p83
p:翌日、ある噂を聞いたんだ。
p:「漏斗頭団」は心得違いの者達の魂を解き放つため解放行脚を計画してたんだって。
p:フィンガーも自身の解放を求めていたんだ…
p:彼は15の州に100人もの子供を生ませていたんだって…
p:彼には逮捕状が出てたんだ。
p84
p:数マイル先に移動遊園地が来てるのを聞いたフィンガーは…
p:その場所も仲間の事もよく知ってたから…
p:どちらも自分の目的、つまり最終解決に役立つって分かったんだね。
p:人間パチンコ玉にしようって。
p85
p:方向が逸れたから遊園地に来てた人は誰も怪我しなかった…
p:…でも漏斗団員は全員死んじゃった。
p:時々思うんだ…
p:リラは転がりながら疑念を持っただろうかって。
p:そして今やタミーが僕と結婚したがってる。
b:あぁ、聞いたよ。タミーは欲しい物をはっきり口にするタイプだから。
p86
b:タミーにとって君は汚れていない新参者なんだ…
b:彼女に新しいスタートを切らせるような。
p:僕は関わりたくないな。
p:彼女は自分で幸せを見つけなくちゃ、人の助けを借りずに。
b:パーシー、君を信じて言うが、
b:今、君の助けが必要なんだ。
p:うん…分かった…
b:僕は秘密のネットワークを持ってて、ある階級の人々を匿ってるんだ。
b:タミーの両親も入ってるんだけど。
b:彼らを助けてあげて欲しいんだ…やってくれるかい?
p:うん。
p87
b:有難うパーシー!これが指示書だ、誰にも見せないでね。
p:君はタミーが好きなんだね…
b:パーシー、僕は合理的な人間だよ…
b:…でも愛に説明はいらないよね…
b:バイバイ。
p:バイバイ。
指示書(指):「おお、勇気ある者よ!…よく聞け。
p88
指:「日は昇り、露店は下に…
指:「全ての高貴な者達が食料を当てにし…
指:「されども、盗賊がお前を捕まえるだろう…
指:…最後には…
指:…お前は十分味付けされて友へ供されるだろう」
p:小さなポエムを有難う。この素晴らしいパズルを楽しむとするよ。
p:おっと!日が沈んでしまったね。
p89
p:読むには電灯が必要だ。
p:「全ての部品には嵌るべき場所と回路がある」と。
p:!
t:!?
t:あんたその頭どうしたの??
p:頭?頭って何、タミー?
t:その紙は何よ?
p:え、紙、タミー?
p90
t:教えなさいよ…
t:教えろ!
p:タミー。
p:君にメッセージがあるんだ…
t:言いなさいよ!
p:何も終わったりしないし…
p:…まだ…
p:…始まってもいないんだって…
p91
t:誰があんたに言ったのよ?
t:誰が言ったの?
t:う〜ふっ。
守:カチャン。
p92
pm:パーシー坊や?
p:こんばんはママ。
pm:忙しい一日だったかい?
p:本当に。
pm:坊や、すまないけど明日私ん家に立ち寄ってくれるかい?ちょっとした物が完成しそうなんだよ。
p:お安い御用だよ、ママ。早朝の用事が済んだらそっちに行くね。
pm:有難う。
pm:おやすみなさいパーシー。
p:ママもね。
p:…そしてみんなもね。
p93
第三章 帰還 (三日目)
p94
p:「日は昇り」…
p:…「露店は下に」…
守:おはようございます、グルームさん。
p:おはようさん。
p:僕の車見張ってくれる?すぐ戻るから。
p:下町の市場に行くんだ。
守:へぇ?
p95
守:グルームさん…
守:食べ物は他でも買えますよ…
p:そうだ、「露店は下に」は地下市場に違いないぞ。
p:は!あの子供達がまたいたずらしてるな!
p:バーナードが僕を信用してこの仕事を頼んでくるなんて光栄だな。
p:そうさ。
p:バーナードは僕の友達だ。
ch:こんにちは!
ch:グルームさん!
p:おはよう子供達。魔法石は見つけたかい?
p96
ch:まだです…今のところまだ。
ch:へへ。
p:そうかい、忍耐強さが成功の鍵だよ!
ch:そうですね。
ch:へへへ。
ch:仕事に行くところですかグルームさん?
p:いや、今日は違うよ。ちょっとした雑用があってね…
p:…地下市場に。
p:僕に道順を教えてくれるよね?
ch:?
ch:?
ch:グルームさん、どうしてあそこに行きたいの?
ch:お腹減ってるならマフィンの残りがあるよ!
ch:道に落ちてたやつだけどきれいだから!
p:ああ…そう…お腹空いた気がするな…
p:グゥー。
p97
ch:これ食べて…噛んで飲み込んでも大丈夫だから!
p:親切に有難う。
p:でも僕は地下市場に行く必要があるんだ。
p:何処にあるか教えてくれないかな?
ch:でも市場は他にもあるよ。
老:そこの方、上ですよ!
老:上に行って、上がって、もう一度上に上がる!
ch:グルームさん、僕達付いて行くよ。
p:分かったよ。
ch:ああ、えっと、グルームさん…
p:うわ!ふぅ、急な坂道だね…
ch:僕たちの両親もあなたみたいに大耳なんです。
p98
ch:両親もあの市場によく行ってたんだ。
ch:ほら、そこ…
p:やぁ、着いたぞ。
ch:グルームさん?
p:なんだい?
ch:えっと、あの〜、戻って来るよね?
p:なんで、もちろんだよ!
p99
p:すぐ戻るからね。
p:僕はただ使い走りしてるだけさ…
p:友達のバーナードのためにね…
p:おっと!
p:え〜っと「全ての高貴な者達が…
p:…食料を当てにし」
p100
帽子、包帯、松葉杖
p:すいません、食べ物は何処で売ってますか?
人:お腹を空かせてるのは誰だい?
p:?
p:グゥ〜
p:たぶん僕だと思う。
p:グゥ〜
人:先にもっといい帽子を買いな。
p101
p:?
p:グゥ〜
p:マフィンの残りを食べる時が来たね…
p:グゥ〜
p:お〜っと!
p:うわ…こんなに人がいたの!地上の人々とはずいぶん違うな。
p102
おかゆ
p:あ、あのすいませんが。
p:食べ物の方に向かってるんですか?
p:?
p:うわ〜
おかゆ
p:おかゆ?
p103
高貴な者(no):食料を求めてこちらまで?
p:うん…
no:ここは初めてですか?
p:うん…
p:グゥ〜
no:では私について来て下さい…
no:…下層民から離れましょう…
p:?
p:あそこに書いてある「おかゆ」って何ですか?
p:聞こえてるのかな?
p:「全ての高貴な者達が食料を当てにし」
p:この人は高貴に見えるけど…
p104
no:本当の市場はこちらです…
no:ここは古代の地下堂です。湿度と気温が一定に保たれてますが、これは完全不滅性の象徴でもあります。
p:?!
no:選ばれし者だけがこちらの階段を降りられるのです。
p:?
p:ポエムの後半はどうだったっけ?
p:喉まで出掛かってるのに…
no:見たまえ!
no:あなたの目的はここで見つかるでしょう。
p105
p:でも僕は目的じゃなくて食べ物が欲しいんだけど。
no:貴方はとても大きな耳をしてますね。なにか意図があるのでは?
p:え〜っと…考えた事も無かったけど…
p:食べ物は何処だろう?
p:?
p:もしもし…
p:あのランプから降り注いでるのは何ですか?
no:闇ですよ、もちろん。
p106
p:闇?なんで?
p:すいませんが食べ物は何処ですか?
p:もしもし?
p:もしもし?
p:わっ?
no:貴方が食べ物なんですよ。
p107
p:え〜、いや、結構です…
p:やめて…
p:やめ…
no:耳に触るなよ!
no:俺が連れて行く…
no:ダメだ。俺のものだ!
no:やめろ…お前は一番最後だ!
no:俺によこせ!
no:馬鹿野郎!
no:俺が見つけたんだ!
no:嘘付け!
p108
no:間抜け!
no:やめろ!
no:イテッ!
p:僕には友達がいるんだ…
p:名前はバーナード…
p:で、僕は彼のために使い走りしてるところなんだ…
p:グゥ〜
p:グゥ〜
p:ダメ!今は、お腹をすかせちゃダメ…
p:鳴り止んで!…盗賊がお前を捕まえるだろう…
p:静かにして…
p109
p:簡単な使い走りをして…
p:その後、ママん家に行くんだ
p:レモンティーが待ってるの…
p:ママは紅茶の入れ方が上手だし…
p:たぶんマフィンもあるはず…
p:ママはマフィンを焼くのはあまり好きじゃないけど…
p110
p:ここは安全そうだ…少し休もう…
p:ちょっと前までは思考力があったのに…
クチャクチャ
クチャクチャ
クチャ
p111
p:ダメダメダメ、腹減り、ダメダメダメダメ
クチャクチャ
p:グゥ〜グゥ〜グゥ〜グゥ〜
クチャクチャ
p:グゥ〜グゥ〜グゥ〜グゥ〜グゥ〜グゥ〜
no:あそこだ!
p112
p:やめてやめてやめて下さい、やめて下さい、やめて
p:ヤダヤダヤダ
no:こいつのポケットを調べろ!
no:お金は?
no:ガムの包み紙だけだ。
no:まぁ少なくともぽっちゃりしてるから、今日食べちまおう。
no:おかゆマン様へ!
p:?
p113
no:我々に長生きを!我々に長生きを!
p:す、すいません…
p:うわうわうわうわうわ
p:僕をどうしようってんだ?
p:悪い夢を見てるのかな?
p:「されども、盗賊がお前を捕まえるだろう、最後には…
p114
ジョージ(g):よし、味付けするか!
g;このハーブを突っ込めばおいしくしかも黙らせられるからな…
g:動くなよ…間も無くお前の創造主に会うんだから。
p:何??
女:ジョージ急いで、みんなに食事を与えなきゃ。
女:もう恥ずかしがらなくていいんだよ…
女:もっと大きな目的のために仕えるんだから…
女:死はとってもひどい疫病なの…
女:それを避けるため、私達は死にゆく人を食べなくちゃならないの。
p:でも僕は死にかけてない…
p115
p:瀕死の人を食べる?…僕を?
p:バーナード…何故なの?
女:この大きな耳!あなたの病気はかなり進行してるね。
p:???
女:あんたがおかゆになれば素晴らしい救済になるのよ!
p:何?何?何て?何?
p:????
女:ヤガヤガがゆ!!
おかゆマン(m):ヤガ…
m:パンザ!
p:ヤガパンザ?
p116
合唱:ヤガパンザヤガパンザヤガ、ヤガパンザヤガパンザヤガ、ヤガパンザヤガパンザ
女:ヤガパンザ!
m:ヤガパンザヤガパンザヤガパンザヤガパンザヤガパンザヤガパンザ
ヤガヤガヤガヤガ
p:?
p:タ、タミー?
p117
p:ああ…
p:これが死なんだ…
p:…夢の中に沈む感じだね。
p:終わり良ければ…
p:このスープ妙にぬるいなぁ…
p118
m:グルームさん!シーッ!
m:息を五秒止めて…
m:有難うございます!
p:い〜ち
p:に〜い
p:さ〜ん
p:し〜い
p119
p:五秒。
小人(小):排水路を開けろ!
小:排水路開けました!
小:脇へ寄せろ!
小:寄せて!
小:動かせ!
小:おお、ひよこ豆だ!
小:サイコー!
タミーの母(tm):これで一週間は余裕で食べられるわね!
tm:グルームさん私達の避難所へようこそ。
p120
小:グルームさんグルームさん
小:ようこそグルームさん
小:あなたが来るのをどれだけ待っていたことか
小:グルームさんグルームさん
小:どうぞ、私の兄弟に…彼は最も…
小:私の素晴らしいイヤリングは…大麦三袋の…下にしまって…食器棚の…
小:私の子供が家族…望んで…
小:グルームさんとても…
tm:みなさん!明らかに客人は困惑していますよ。
小:ごめんなさい。
タミーの父(tf):どうぞこちらへ。
tm:大鍋からの水流下りは楽しかったですか?
tf:ああして私達はみんなここへ来たのです…
tf:私達はここが気に入ってます。
tm:…でも、あちらも懐かしいですけどね。
p:あなたがたは誰なんですか?
tf:おぉ!…すいません!
tm:私達、タミーの両親です。
p121
tm:私達の娘をご存知と思いますが…
tf:知り過ぎてるんじゃないかな。
tm:おかゆマンのパフォーマンスは楽しかった?彼のバリトンの声は素晴らしいでしょ。
p:おかゆマンは僕を料理しようとしたんじゃないの?
tf:まさか違いますよ!彼は私達のスパイです!バーナードの友人でね。あの大鍋を作ったんです。
p:でもあの人達…市場にいた…
tf:ああ、そうです…あいつらは確かに貴方を食べたがってました。
tm:あなたが死にかけてると思ったんですよ。
tm:あなたの大きな耳のせいですよ、グルームさん…
tf:…それが最初の死の兆候なんです…
tm:この兆候が出ると私達は生贄にされて食べられてしまうんです。
tf:…そうやって死への免疫力を高めるんですって…
p122
tm:もちろん我が娘タミーのアイデアなの…
tf:彼女には繊細さが無いのです。
p:タ、タミー…あなたがたの娘さんが…お二人を料理して食べちゃえと命じたの?
tm:そうですよグルームさん。てっきりご存知かと思ってました。
tf:タミーはこの運動の精神的指導者なんです。
p:何の運動?
tf:珍奇なヤガパンザ運動ですよ、もちろん。
両親:その事は聞いてますよね?
p:うん、でもただ地下堂で修行してるだけだと思ってたから。
tm:こちらへどうぞ…
tf:驚かせてしまったようですね。
tm:ちょうど良い椅子がなくてごめんなさい。
p123
tm:私達はバーナードと連絡を取り合ってるんです。あなたの事すごく誉めてましたよ!
tf:そうだね。
tf:年代物のチーズです、召し上がれ!
p:有難う。
tf:ママ、彼のテーブルマナーを見なよ!
tm:ちょうどいいテーブルも無いですけどね!
tf:テーブルマナーがバーナードと同じだ。
tf:タミーとバーナードは子供の頃に出会ってからずっと一緒だったんです。
p124
tf:私達はそれがうれしかったんですよ。
tm:タミーはかわいいけど野性的な女の子で。
tf:バーナードから穏やかな影響を受けていたね。
tm:何年も毎日一緒に過ごし、本を読んだり、ヤギの世話をしたり、植物を勉強したり…
tm:毎晩帰ってくると娘はとても寂しそうな表情を浮かべて…
tf:「あぁ、なんで一日は終わってしまうの?」ってタミーが悲しむから、私達は「お嬢ちゃん…何もまだ始まってないよ!」って言ったものです。
tm:「歳月や時間はただの概念なんだから」って、でもタミーはその抽象概念を受け入れようとしなかったの。
tf:この世の背後に流れる永遠の不変性を説明しようとしたのですが。
tm:ただ彼女をもっと強情にしただけでした。
tm:そして彼女が12歳の時にお気に入りのヤギが死んで…
tm:そこに写ってるマリゴールドちゃんです。
p125
tf:自分が愛した人や物は全ていなくなってしまうとタミーはふと気付いたのです。
tm:死は大いなる裏切り行為になり…
tf:タミーは私達から離れて育ち…かわいそうにバーナードも遠ざけるようになったんです。
tm:彼女は「終焉」で頭がいっぱいになりました。
tm:グルームさん、この下に本があります、開いて下さい。
p:タミー、昔は違ったんですね。
p126
tf:私達は彼女が落ち着けばいいなと思いながら何年も普段の生活を送っていたのですが。
tf:彼女が「ヤガパンザ」の教義を作り上げていたなんて全く知りませんでした。
tm:「死は恥ずべき病だ。死にかけた人を食べて死を克服しよう」
tf:子供っぽいナンセンスです。
tf:この町の産業は警告業ですから、タミーのアイデアは自然と受け入れられたんです。
tf:反対する人は町から追い出されてしまいました。タミーが最初の生贄を命じた時、残った人々は賛成するか怖がりながら生活するしかありませんでした。
tf:あ、でもバーナードは彼女をよく知っていたし…
tm:市場の地下トンネルもよく知ってたから…
tf:バーナードはタミーの一歩先を読んでたのさ!この洒落た避難所を作ったのも彼なんだ。
tf:あいつらの妄信を満たすためにね。
tm:あの運動をしてる人々には見つかってないわ。あいつらは私達がおかゆに混ぜられたって今でも信じてるわ…
p127
tf:ところであなたがたはどうやって死ぬんですか?
p:え〜と、父方は突然死の儀式を行って自害します。
tm:まぁうっとりするわ!技術を要するんでしょうね。
tf:で、母方は?どういうやり方で?
p:え…と、知らないんだ…
p:聞いてみようと思ったことも無いや…
p:…教えて…くれたことも…無かったし。
p128
li:ああパーシー…
li:あなたの父親には大変敬服するわ!
p:なんで、リラ?
li:お別れをする時間と方法を自分で決める勇気があるんだもの。
p:ただの家風だよ、リラ。
li:違うわ…お父さんは勇敢よ。
li:あなたのお父さんは強硬手段を取ったのよ。人生は大きな虚構で、つまらない経験しか私達に与えない。これはフィンガーが言ってる事だけど。
li:あなたのお父さんを好きになっていたと思うわ…
li:…お父さんは勇気があるわ。
tm:グルームさん?
tm:大丈夫ですか?
p:うん、大丈夫。
p129
p:それで…あなた方の死に方は…縮んで?
tf:そう。原因が何であれ全て縮んで死にます。
tm:この町独特の伝統です。
tf:耳だけが元のままの大きさで。
tf: For a time the body shrinks around them, then they fall away...(まず耳の周りが縮んで、それから耳が痩せていく…。[?])
tm:…で知覚が敏感になるんです!
tm:縮むにつれて私達は感覚が広がって!認識する全てが…とってもこそばゆいの!
tf:素晴らしい悟りが開けて、で、ポンッ、私達はもう何処にもいない。
tm:きれいさっぱりね。
tf:昔は、悟りを開いて他界するのが喜ばしい慣習だったのです。
p:でもタミーがそれを禁止し、あなた方の死を早め、愛するお二人から離れていった。
tf:そうなんです。やり方は逆ですが、タミーはみんなを救っていると思ってるんです…
tm:「終焉」からみんなを救ってると。
p130
tf:ああタミーに会いたいよ!
tm:彼女の熱くうるさい生き方!もう一度だけでいいから娘に会いたいのです、グルームさん!
tm:どうか…あなただったら彼女も話を聞くはずです!この手紙を渡して下さい…タミーの考えが変わるかもしれないから!
p:もちろんです。
ポンッ
両親:おっと…
tm:しばしばこうなるんですけど…
tf:突然縮むんです。
tm:予想はしてましたが。
tf:もう私達の時間はもう残り少ないのです。
tm:今日タミーに会ってくれますか?
p:うん…すぐにでも!
tm:有難うグルームさん!
tf:業務用階段が、その先、左にあります。
p:さようなら。
両親:さようなら。
p131
p:ヤギさんは正しかった…
p:お二人は本当に素晴らしい人だったな…
p:…そしてたぶんもう会う事は無いんだろう…
p:でもタミーには会わないと…
p:彼女を説得しなくちゃ。
p:タミーはみんなを怖がらせて町を一掃しちゃったんだ。
p132
p:でも僕は彼女を恐れないぞ…
p:お、恐れないぞ。
p:彼女を説得しなきゃ。
p:タ、タミー?
p:タ、タ、タミー?
t:ヤガヤガヤガヤガヤガ
p:?
t:ヤガパン
t:ヤガパンザヤガパンザ
p:うわぁ。
p133
t:ヤガパンザヤガパンザヤガパンザヤガパンザ
p:タ、タミー?
t:ヤガパンザヤガパンザヤガパンザ
li:セプドルラエ タレビル セプドルラエ タレビル セプドルラエ タレビル
p:あ、あのタミー?
t:忙しいの…
t:あなたの知らない理解も出来ない領域にいるから…
t:ヤガパンザヤガパンザ
p134
p:で、でもタ、タミー、伝えたい…
t:黙れ、疑念を持つ馬鹿者よ!新たな生贄の代わりにお金を持ってきたんなら、床に置きな、今すぐ!
p:違う違う違う違う違う…
p:やだやだやだやだやだやだ
t:ヤガパンザ
p:タミー!
t:失せな、坊や!
t:ヤガパンザ
t:ヤガパンザ
p135
t:ヤガパンザ
t:ヤガパンザ
t:ヤガえっザ? ヤガパンザ
t:ヤガ
t:パンザ
t:う〜ヤガヤガ
p136
p:うわ!怪我させちゃった。
t:斜視治せって言ったでしょ!
p137
p:タ、タ、タミー!完全な物なんて無いんだ、ここにも、どこにも。
p:し、死ぬのは…
p:悪い事じゃないんだ!
t:?
p:あんな素敵な人達を鍋で煮ちゃうなんて…
p:料理しちゃうなんて!
p:アーーーーー
p:アーーーーー!
p138
p:どうしたらいいだろう?
p:誰も守れなかった…
p:…しかも他人に怪我させてしまった。
p:死んでしまいたい!
p139
p:タミーに投げつけるの楽しかったな!止められなかった…
p:僕は何も出来ない…役立たずだ!
p:何のために生きてるんだろう?
p140
p:ああやっとママの家に着いたぞ。
p:たぶんここなら…
p:…心臓のドキドキが収まるかも。
p:急に吐くのもドキドキが収まるし。
p:やあ…ミリセント!こんにちは。
p:そうそうミリセント、僕、しゃべるヤギに会ったよ!
p141
p:君はしゃべれるかい?
Millicent(mil):そんなわけないよ、パーシー…
mil:僕はヤギじゃないんだ。
p:くんくん
p:ママが焼いてるな…
p:そば粉マフィンを。
p:ママはなんで立ち寄ってくれって言ったのかな…
p142
p:ママ?
シュー
p:ママ?
シュー
p:うわ〜
シュー
パーシーの母(pm):マフィンはテーブルの上よ、坊や!
p:あぁママ…つかまって!
p143
pm:ハッ…もう少し…
p:手伝うよ…
pm:ヤッター!紅茶用お砂糖入れよ!
p:ママ…何でお砂糖入れを手の届かない所に置いたの?
pm:なぜって、あなたが来るって分かってたからですよ!
pm:ウフフ
pm:さぁ紅茶を入れましょう。で、用事は済んだのかい?
pm:おやおや元気付けが必要かい。
pm:おいで…
p144
pm:ずっと前によく旅行したのを憶えてるかい?
p:もちろんだよママ…
p:時間を潰すのに発明品を考案したりしたね。
pm:その通り…
pm:さぁ坊や、その内の一つを作り上げたのよ!
pm:「水を加えるだけ」シリーズの一つよ…さぁどれだと思う?
p:インスタント道路?
pm:違う…
p:インスタント橋?
pm:違うわ…
p:インスタント山?
pm:正解!
p145
pm:プロトタイプを湖に浮かべて育てたのよ。
pm:毎日成長を確認しながらね…
pm:漕ぐ準備はいいかい坊や?
p:うん、ママ。
pm:「インスタント山」ちゃんは順調だったの…
pm:…昨日までは…
pm:異常を見つけたのよ。
pm:何年も研究してきたあの触媒のせいじゃないし…
pm:…で、分かったの!
p146
pm:あなたがよく考え事をしてたあの場所にインスタント山を置いちゃったんだって気づいたのよ。
pm:私はなんてうっかり屋さんなんでしょう!
p:よく分からないけど、ママ。
pm:思考は鳩みたいなものよ坊や…
pm:安全と思える場所にいつも飛び戻ってくるの。
pm:あそこよ。
pm:あなたの思考が頂上から穴を開けてしまって、吹き抜け構造になってるわ。
p:うわぁ…
pm:さぁ、ここから入りましょう。
p147
p:あれが僕の思考?
pm:厳密に言うなら後悔ね。
pm:あんたはいつもリラの事を考えていただろ?
p:何故僕は彼女を救えなかったんだろう、ママ?
pm:彼女が救って欲しくなかったからだよ。
pm:頭は天国に行っちゃってお腹は熱意でいっぱいだったから彼女にはあなたの入る余地が無かったんだよ、坊や。
p:あれ治すよ、ママ!
pm:いいんだよ。燃え尽きるまで放っておきなさい。
p148
pm:あなたを呼んだのにはもう一つ理由があるのよ。
pm:お父さんからの手紙…
pm:今日の誕生日にあなたへ渡してくれって。
p:今日は僕の誕生日?
pm:そうだよ。
p僕、何歳?
pm:年取ったわよ…とっても…
p:?
pm:子孫に指示書を残すのがグルーム一族の慣習なの。
pm:あなたのお父さんがどれだけここに居たかった事か、面と向かってあなたに教えるためにね。
pm:とうとうグルーム一族の伝統に従ってお父さんは死んじゃったけど。
カチャッ
p149
pm:それ置いてくわ、じゃあね。
pm:家で紅茶があなたを待ってるからね…
pm:頭を立てて回転させるのを忘れないで…
pm:読むには電灯が必要でしょ。
パーシーの父(pf):やあ坊や、誕生日おめでとう。ここまで来れたなら君は私が思った以上に勇敢であると言えよう。
pf:「もうたぶん知ってると思うが、君はママから永遠に生きるという重荷を受け継ぎ、私からはこの長たらしい世界を脱出する手段を得た」
pf:「グルーム一族の伝統的な突然死の正しいやり方を封入してある。自分の顔面を素早く数回殴れば、このメチャクチャな世界とおさらばできる。君の任務は完了というわけだ」
p150
pf:「お前ももう分かっているだろう。この世は無意味な世界だ。にもかかわらず私は生き延び、お前に教えようとしたんだが…だがこんな矛盾は大嫌いだ」
pf:「我が子よ、分かって欲しいが、私は自分の遺伝形質を超越しようとベストを尽くしたんだ」
pf:「お前がどんな人間であれ、私はお前を愛したであろう」
p151
p:パパ、今の時期は水も温かく…
p:月の出ていない時はよく、僕は頭を回転させて道を照らすんだ。
p:そうするとね、蛾の大群が僕の周りに集まってくるの。
p:初めはうっとおしいなと思ってたけど、ある時羽をパタパタさせる独特の音を聞いてね。
p:蛾の小さなシンフォニーが好きになったんだ。
p:おかしな事だね…
p:リラはこの世から逃げたくてたまらなかったし…
p:…タミーは生きたくてたまらない。
p:僕たちには趣味が必要なんだと思うよ、自分を忙しくするために…
p152
p:しかし自分の影から逃がれようとして
p:多くの人を踏み付けにするなんて…
p:残念な事だよね…
p:「ぐるっと一回転」
p:パパがもう少し長生きしたら…
p:…この無意味な世界が…
p:とっても楽しい所だって…気付いたと思うよ。
p153
p:ママ。
pm:パーシー!
p154
pm:手紙は読んだかい?
p:うん。
pm:それでも戻って来た!
p:もちろんだよママ。
p:僕はたったった一人のグルーム・ハーフなんだから。
pm:誕生日おめでとう、坊や!プレゼントを開けて!
p:これは何、ママ?
pm:あなたのお父さんに私が作った特別性の望遠鏡だよ。
pm:中を覗けば…どんな距離でも…あなたの双子の兄弟が見えるんだよ!孤独を癒すのにピッタリ。
p165
pm:もちろん、お父さんは一度も使わなかったわ。そう、「馬を水場に連れていくことはできても、水を飲ませることはできない」って言うでしょ。
pm:さぁこっちも開けて!
p:ブラシとちり取りだ!?
pm:そうだよ…持って歩くのにとっても便利なんだから!
pm:あなたならすぐ使い道が分かると思うわ。
p:ママ?
p:お父さんが言った事…僕とママは永遠に生きるって本当なの?
p156
pm:坊や、女性と年齢の話をしちゃダメよ!
pm:バイバイ。
p:安全ナウに戻るのが楽しみだな。
p:言葉遣いをちょっと変えたらどうだろう…
p:「警告」から「友好的アドバイス」に…
p:…そうすればお客さんはもう一度警告文を読むようになると思うな。
p157
p:タミーに話さないと。彼女を説得するんだ。
p:グゥー。
p:マフィンのお時間だ。
p:有難うママ。
p:ケホッうっママ!マフィン焼き過ぎだよ!コホッ。
p:これは何だろう?プレゼントかな?
インスタントママ 幸せいっぱいケーキミックス 「水を加えるだけで」 「みんな満足」
p159
p:?
p:こんにちは…町まで送りましょうか?
老人(老):いやいや結構ですよ、お若いの。
老:行く場所は分かってますから。
p:それではさようなら…
老:さようなら。
p159
老:ところで、あの子供達は、見つけましたぞ…
老:…魔法石を…
老:わしがそこだって指し示したんじゃ!
老:今日は学校がお休み!もう永遠にな!ハハハハ。
p:?!
p:うわ。
p:うわ…
p160
p:うわっ。
p:ああ、じゃ、片付けなくちゃ…
p:…子供達が遊び終わった後にはね。
p161
p:バーナード!
b:パーシー!
b:あの子供達はとってもびっくりしてたよ。
b:彼らのちっちゃな遊びが全てを変えてしまったんだ。
b:巨人が倒れるのを見た事あるかい?あんな感じ…とてもゆっくりと…
b:…そして静かに。
b:we all had time to find our way. (僕達が苦労してここまで来たのに。[?])
p162
p:死にゆく人々は何処に?
b:こっちだ。
b:まず最初に市場が崩壊したんだ、整然と、そして穏やかに。
b:その後すぐタミーが地下堂から出て来た。
b:彼女は仲間内を混乱させちゃったんだ…
b:生きてる人々と死に行く人々を再び会わせたからね。
p163
p:タミーは何処なの、バーナード?
t:うん。
t:そうする…
p:?
b:彼女の両親は凄く小さくなってしまってもうすぐいなくなるんだ…
b:…それでタミーは両親を耳に入れてるんだ…
b:両親は彼女が忘れていた事を思い出させてるんだよ。
t:うん…うん、そうする…
p164
b:両親がいってしまったんだ。
b:でも僕はタミーが戻って来たと信じてるよ。
b:パーシー感謝するよ…
p:どういたしまして。
p165
mar:シクシク
mar:シクシク
p166
mar:シクシク
mar:グルームさん、私は失敗した。
mar:世界が崩壊する時に爪切りの危険を訴えてたなんて。
mar:私の人生は無駄だった…
mar:…全ては無に帰したのよ。
mar:貴方の笑顔がイラつくわ、グルームさん。
p:どうぞ、これを見て下さい。僕の誕生日にママがくれた物なんだ。
p167
mar:使用済みでは?感染の恐れがあるでしょ。
p:未使用だよ。
mar:角膜にダメージを与えない?
p:安全だよ。
mar:あらぁ…私は双子だったんだ!
mar:彼女…うわ凄い…ポルカを踊ってる!
p168
mar:あら、いけない…
mar:彼女転んだわ…
mar:あ、待って、お、あっ…
mar:あ、立ち上がった!彼女…が…また踊り出したわ!
mar:私…なんて言っていいのか…
p:うん…
p:警告業界では…僕達、幸せに慣れていないからね。
お終い。
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